風しん・先天性風しん症候群の感染予防
~なぜ大切?風しんワクチン~

なぜ大切?風しんワクチン

 風しんは感染力が高いため、風しんにかかってしまったときは
お腹に赤ちゃんを宿している女性へうつさないよう、
その赤ちゃんが先天性風しん症候群にならないよう、
みんなで一緒に風しん対策していくことが大切なのです。

本人が「十分な抗体を持っていない」と知らない場合があります

 平成25年度の国の調査では、20~40代の男性の約12.3%(20代 約6.1%、30代 約15.8%、40代 約16.3%)が風しんへの抗体を持っていませんでした。これこの約12.3%という数は他の年代よりも高い割合であり、風しんの抗体を持っていない女性よりも多い数字になります。平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、ワクチンを受ける機会がありましたが、それより年齢が上の人は受けていても1回。そして、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回もその機会がなかったのです。

 過去に「風しんにかかったことがある」と考えている人のなかには、実際にかかったのは「麻しん(はしか)」などの別の病気で、風しんの免疫がない人も少なくありません。風しんにかかったかどうかや、ワクチンを受けたことがあるか曖昧な場合は、風しんの予防対策を検討しましょう。

風しんが流行した際、感染した本人が気づかずにまわりにうつしてしまうことがあります

 風しんの潜伏期間は2~3週間(平均16~18日)ですが、ウイルスに感染しても明らかな症状がでることがないまま免疫ができてしまう人が15~30%程度いると言われています。

 これは、風しんに感染しても、軽症だったり症状がでなかったりして自覚できない人がいることを意味しています。 そして、ここで重要なのが、風しんはくしゃみや咳などで飛び散った唾などによって「飛まつ感染」するということ。 風しんにかかった人が知らないうちに、同居の家族や職場などの周囲の方に風しんウイルスをうつしてしまう可能性があるのです。

平成23年から、海外で感染して帰国後発症する輸入例が散見されています

 平成24年以降の流行において、風しん患者から検出された風しんウイルスを解析すると、東南アジアや中国などで流行しているウイルスと同じ遺伝子型の風しんウイルスが日本で流行しており、「渡航者を通じて、海外の流行地域から風しんウイルスが国内に持ちこまれたことが、流行のきっかけとなった」と考えられています。実際に、平成23年にアジアで大規模な風しん流行が発生し、海外で感染を受けて帰国した後に風しんを発症する成人男性と、職場での集団発生が散発的に報告されるようになりました。

●海外等で風しんが流行している地域へ出張することが多い職場
●海外等で風しんが流行している地域からの人材の受け入れの機会が多い職場

 上記の職場に家族が勤めている場合は、特に国内外の風しん流行状況を把握しておくことが重要です。 国内の流行状況については、国立感染症研究所感染症疫学センターホームページ、海外情報については、厚生労働省検疫所ホームページをご参照ください。

国立感染症研究所 感染症疫学センターホームページ
http://www.nih.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/2132-rubella-top.html
厚生労働省 検疫所ホームページ
http://www.forth.go.jp/

治療法がない先天性風しん症候群。予防には、風しんワクチンを受けることが最も重要です

 先天性風しん症候群は、それ自体の治療法がありません。

 その予防のためには、妊娠を予定または希望する女性は、妊娠前に風しんワクチンを受け、風しんの免疫を獲得しておくことが最も重要です。また、妊婦への感染の可能性を減らすため、妊娠後に風しんの免疫が十分でないとわかった場合は、妊婦の周囲にいる夫や家族、職場の同僚なども風しんにかからないよう、風しんワクチンを受けておくことをお奨めします。

妊娠したら風しんワクチンは接種できません

 妊娠中の女性は風しんワクチンを受けられないため、特に流行地域においては、抗体を持たないまたは低い抗体価の妊婦の方は、可能な限り人混みを避け、不要不急の外出を控えるようにしてください。また、風しんの免疫が十分でない妊婦の周りにいる方(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等)は、妊婦への感染を避けるため、風しんの免疫が十分と確認できた方以外は、任意での予防接種を受けることをご検討のうえ、風しんを発症しないように予防に努めてください。

 妊娠中の方で、風しんに対する十分な免疫がない方は、風しんの感染を避けるために、次のようなことに注意して生活してください。

●妊娠中はできるだけ人混みを避ける
●夫や同居している家族などにはすぐに風しんワクチンの接種を検討してもらう
●自分や家族、職場の人などが風しんとわかったら、かかりつけの医師に相談する
●出産後、できるだけ早く、風しんワクチンの検討を



出典:厚生労働省ホームページ「風しんの感染予防の普及・啓発事業」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/vaccination/qa.html
更新:2014/11/14

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