狂犬病とは
1957年以降、半世紀近くの間、日本国内での狂犬病感染事例は報告されていません。現行の検疫制度が維持され、狂犬病予防法に基づく飼いイヌへの狂犬病ワクチン接種が十分に行われていれば、国内で狂犬病ウイルスに感染する可能性はほぼゼロと考えられます。しかし、世界的にみれば狂犬病発生のない国はむしろ例外的存在であり、地球上には今なお毎年数千から数万人の狂犬病犠牲者が発生している狂犬病常在地域があります。そして毎年多くの日本人がこれらの地域を訪れています。現在日本に狂犬病の発生がないため、海外に出る日本人は狂犬病に対する警戒心に乏しいといえます。海外で狂犬病危険動物に咬まれて受診する曝露後発病予防希望者は近年増加しており、海外の狂犬病常在地域で狂犬病ウイルスに感染して帰国後に発病する輸入狂犬病は、今後も発生する可能性があります。また、海外で移植手術を受ける日本人もいるので、臓器移植を介しての輸入狂犬病にも注意しておく必要があります。
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