A.稀に水痘ワクチンの接種後に帯状疱疹を発症したとの報告があります。水痘ワクチンが市販されてから25年間に集積されたワクチン株由来の帯状疱疹症例は5例です。最近5年間における水痘ワクチン推定累積接種者数は約330万人とされ、ワクチン株由来の帯状疱疹発生率は多くても5人/330万人以下です。

 これに対し、帯状疱疹の自然発生率は、外山らの宮崎県における帯状疱疹患者48,388人の報告から国内の帯状疱疹発生率を推定すると4.15/1,000人年、20歳未満では2.45~2.86/1,000人年となっており、浅田らの香川県小豆郡における帯状疱疹疫学研究では、50歳以上の12,522人を対象にして3年間の調査を行った結果、臨床症状から帯状疱疹の発症を疑われた症例は438人で、そのうち396人からPCR法にてVZV特異的DNAが検出されました。PCR法に基づく帯状疱疹の年間発症率は1.07%でした。このことからワクチン株由来の帯状疱疹発生率のほうが水痘自然感染後の帯状疱疹発生率と比べはるかに低いといえます。

※わが国では1年間に約60万人に帯状疱疹の発症があること及び、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験することが推定されます。出典:国立感染症研究所ホームページ

出典:「予防接種に関するQ&A集 水痘」-一般社団法人日本ワクチン産業協会(岡部信彦 川崎市健康安全研究所所長、多屋馨子国立感染症研究所感染症疫学センター第三室(予防接種室)室長)