#2 9月10日放送 「麻しん(はしか)」



--知ってアクション!感染症の予防。麻しん。

--はしかとも呼ばれる麻しんは、麻しんウイルスによって起こる感染症です。(※9)

--感染力はウイルスの中で最も強く、麻しんを発症している人と同じ部屋にいるだけで感染することがあります。(※9)



--発症すると、39℃以上の高熱と発しんが現れます。(※10)



安井医師「麻しんは、肺炎や中耳炎を合併しやすく、発症者1000人に一人の割合で脳炎を発症、死亡する割合も1000人に一人といわれています。(※10)」

安井医師「感染力の強い麻しんは、手洗いやマスクだけでは予防できません。最も有効な予防法はワクチンの接種です。(※11)」



--麻しんの定期接種は、1歳と小学校入学前1年間の2回行われます。今は風しんの予防も期待できるMRワクチンという「麻しん含有ワクチン」が主に接種されています。(※11)

--副反応としては、発熱、発しん、注射部位が赤くなる、腫れるなどの症状が。またまれに重篤なショックやアナフィラキシーなどが起こることがあります。(※12)



安井医師「今、麻しん含有ワクチンの接種率の低下が問題になっています。」

安井医師「2022年度の麻しんを予防するワクチンの接種率は第1期が95.4%、第2期が92.4%でした。(※13)麻しんに対する集団免疫の獲得には、2回のワクチン接種率が95%以上であることが必要とされています。(※14)」



--また、海外では麻しんが流行している国はたくさんあります。(※15)

--日本では最近、海外で麻しんウイルスに感染した人が、帰国後発症し、他の人にもうつすという例が報告されています。(※16)



安井医師「このままでは、海外から持ち込まれた麻しんウイルスにより、感染の拡大が起こるかもしれません。(※16)」

安井医師「1歳と小学校入学1年前のお子さんは、麻しんの定期接種を忘れずに受けてください。」


※9 厚生労働省検疫所:感染症情報「麻しん(はしか)」
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name62.html

※10 厚生労働省:感染症情報「麻しんについて」症状
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html

※11 厚生労働省:感染症情報「麻しんについて」ワクチンについて
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html

※12 独立行政法人 医療品医療機器総合機構:ワクチン接種を受ける人へのガイド検索「乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン」添付文書より
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/636940CD1

※13 厚生労働省:麻しん風しん予防接種の実施状況(令和4年度)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/dl/231106-01.pdf

※14 国立感染症研究所:麻疹排除・根絶へ向けた世界と日本の状況(IASR Vol.44 p139-140: 2023年9月号)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2614-related-articles/related-articles-523/12272-523r04.html

※15 World Health Organization/IVB:Measles and Rubella Global Update April 2024 P.12 “Number of Reported Measles Cases (Last 6 months)”
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2024/JP20240401_02_3.png

※16 厚生労働省:感染症情報「麻しんについて」発生状況
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/measles/index.html

出演:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 安井良則医師
更新:2024/9/10