【2025年】1月に注意してほしい感染症!新型コロナ変異株XEC流行に注意 医師「社会の一部からの声に惑わされるべきではない」 インフルエンザ冬休み明けの動向要注意
感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「私の勤務先の病院は、肺炎など症状が重くなった新型コロナウイルス感染症の患者さんを受け入れていますが、今週に入って4人の方が入院されました。年始当初、新規入院患者の方は、ほとんど、いらっしゃらなかったのですが、1月下旬に入る頃から、再び増え始めています。実際に、大阪府では、第4週(1/20-26)は患者報告数が増加しており、なかなか減少していかない状況です。全国的にも、新型コロナウイルス感染症の患者報告数は、2024年末から、増減を繰り返し、減り切らない状況であることから、今後の予測はつきにくいです。しかし、1月下旬は、気温が下降する予報も出ています。このようなウイルスが流行するのに適した環境要因に加え、昨年も1月末から2月にかけて流行のピークがあったことを考慮すると、これから患者数が増えていく可能性も否定できません。注意深く観察する必要があると考えています」と語っています。新型コロナウイルス感染症とは?
新型コロナウイルスは感染者の口や鼻から・くしゃみ・会話のときに排出されるウイルスを含む飛沫、またはエアロゾルと呼ばれるさらに小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内に近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分で混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。感染すると2〜7日の潜伏期間のあと、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、咳といった上気道症状に加え、倦怠感・発熱・筋肉痛・頭痛といった全身症状が生じることが多く、その症状はインフルエンザとよく似ています。オミクロン株が主流となった現在は、嗅覚・味覚障害の症状は減少しています。軽症の場合は1週間以内に症状が軽快することが多い一方、発症から3か月を経過した時点で何らかの症状が2か月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかない場合には、罹患後症状(後遺症)の可能性を考える必要があります。新たな変異株XEC系統がゆるやかに増加中
また、変異株の流行も気がかりです。国立感染症研究所感染症疫学センターが発表した「新型コロナウイルス感染症サーベイランス月報:発生動向の状況把握2024年12月」によると、現在流行している株は従来からのKP.3系統を含むJN.1系統が約72%、一方昨年秋以降に検出され始めたXEC系統が約22%となっています。安井医師「2024年秋頃から、新たな変異株XEC系統が検出され始めました。当初は、従来主流であったJN.1系統とすぐに入れ替わるという予想もありましたが、実際はそうでもなく、現在はJN.1系統とXEC系統が同時に流行しています。しかし、XEC株の増加傾向も見えていますし、新たな株が流行すると、再び新型コロナに感染する方が増える可能性もあるので、注意が必要です」
引用
厚生労働省:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について」令和7年第3週(1/13-19)
国立感染症研究所感染症疫学センター:「新型コロナウイルス感染症サーベイランス月報:発生動向の状況把握2024年12月」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
厚生労働省:「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について」令和7年第3週(1/13-19)
国立感染症研究所感染症疫学センター:「新型コロナウイルス感染症サーベイランス月報:発生動向の状況把握2024年12月」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏