【2024年】11月に注意してほしい感染症!インフルエンザの動向に要注視マイコプラズマ肺炎は過去最多を更新医師「関東は伝染性紅斑に注意」
今回、ご紹介するのは、千葉県でお子さんがマイコプラズマ肺炎疑いと診断された方の経験談をご紹介します。
マイコプラズマ肺炎(疑い)千葉県・11歳
土曜日発熱38度台日曜日解熱36.4一日平熱
月曜朝からぶり返す37度後半
とともに空咳が発生
火曜37度後半
水曜日37度前半
木曜日に受診し、マイコプラズマの疑いで薬出される
熱は、36後半から37前半で推移
火曜から木曜日まで夜中寝ていると必ず汗をかく
感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室長の安井良則医師は、「マイコプラズマ肺炎は子どもに多い感染症といわれていますが、大人でも感染するケースがあります。今回の件、直接、診断した訳ではないので、不明な点が多くあります。症状をみるとマイコプラズマ肺炎のようでもありますが、この時期、咳が出る感染症は他にもあります。受診した医療機関で、検査キットは、使用されなかったのでしょうか。地域の医療機関でしたら、お子さんの学校で流行している背景などが分かるのですが、診断に至った経緯も分かりません。また、お子さんに処方されたのは、咳止めなのか抗生剤なのかも不明です。とは言え、マイコプラズマ肺炎の場合、お子さんに処方される抗生剤は、マクロライド系が、ファーストチョイスになります。医師の指示通り、服用を続けてみて、3日ほど効果がみられない場合は、耐性菌の可能性があります。医療機関の方は、抗菌薬を変更することも選択肢として考えて頂きたいと思います。」としています。治療には抗菌薬(抗生物質)を使用、ただし従来の薬が効かない場合も
治療には基本的にはマクロライド系の抗菌薬が処方されます。しかし近年、このマクロライド系の抗菌薬が効かない「耐性菌」が増えてきているとされています。安井医師は、「去年中国でマイコプラズマ肺炎が大きな流行となりましたが、マクロライド系の抗菌薬に対して耐性を示すものの割合が高かったという報告があります。抗菌薬は他にもいくつかの種類があるのですが、子どもに対しては副作用があるものがあり、使用できる薬が制限されるということがあります。一方大人に対しては使用できるので、症状が悪化する前に医療機関を受診することが重要だと思います」と話しています。
マイコプラズマ肺炎に関する学会からの提言
10月24日、厚生労働省は、日本呼吸器学会など5学会の合同で出された「マイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)急増にあたり、その対策について」という提言の周知を各都道府県などに伝えました。その中で予防と 治療について触れています。・感染しないようにするためには
新型コロナウイルス感染症と同様に、飛沫感染しますので、マスク着用、換気などの感染予防対策を行いましょう。併せて、石けんによる手洗いやアルコールによる手指衛生も併せて行いましょう。
・感染が疑わしい、あるいは感染した場合
マイコプラズマ感染症は感染症法上で5類感染症と定められており、毎週の全国の流行状況が把握されています。現在のように、流行期にある場合、風邪のような症状、せきがある、周囲に同様の症状の方がいる、という場合は、マイコプラズマに感染している可能性があるため、近くの医療機関を受診してください。なお、現在、新型コロナウイルス感染症も流行しています。医療機関を受診する際は、医療機関に連絡をいれて受診することをお勧めします。受診後に本感染症の診断がなされ、抗菌薬で治療を行われた場合、一般的には2〜3日で解熱することがほとんどですが、解熱しない、せき、そのほかの症状が悪化する場合は、再度、医療機関にご相談ください。
引用
国立感染症研究所:IDWR速報データ2024年第44週
厚生労働省:マイコプラズマ肺炎に関するQ&A(平成23年12月作成、平成24年10月改訂)、令和6年10月24日事務連絡「マイコプラズマ肺炎増加に関する学会からの提言について(周知)」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室長 安井良則氏
国立感染症研究所:IDWR速報データ2024年第44週
厚生労働省:マイコプラズマ肺炎に関するQ&A(平成23年12月作成、平成24年10月改訂)、令和6年10月24日事務連絡「マイコプラズマ肺炎増加に関する学会からの提言について(周知)」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室長 安井良則氏