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流行地域は注意 流行地域は注意
厚生労働省が2024年5月17日に発表した2024年第19週(5/6-5/12)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は
2.76。前週(4/29-5/5)の2.27と比べ、増加に転じています。気を付けたいのは、前週は、大型連休の影響で、医療機関の多くが休診している場合もあることです。一方で、気がかりなのは、沖縄県の定点報告数が、12.04となっていることです。また、同日に発表された「インフルエンザの発生状況について」によると、2024年第19週(5/6-5/12)のインフルエンザの全国定点報告数は、0.34。前週(4/29-5/5)の0.45から更に減少しました。現状について、感染症に詳しい医師に聞きました。

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感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「第19週データはゴールデンウイーク明けのもので、多くの医療機関が休診していた前週データと、単純に比較することはできません。しかし、沖縄をはじめ、鹿児島・長崎・佐賀・大分でも報告数が増加しているので、翌週データを待って、状況を確認したいと思います。沖縄・九州で再び流行が始まるのではないか気がかりです。気温も高くなり始め、室内の換気がおろそかになっている可能性もあります。新型コロナウイルスは、エアロゾル感染しますので、締め切った室内で、感染が広がってしまう可能性もあります。これからの季節、じゅうぶん注意してください」としています。

新型コロナウイルス感染症とは?

新型コロナウイルスは感染者の口や鼻から、咳・くしゃみ・会話のときに排出されるウイルスを含む飛沫またはエアロゾルと呼ばれるさらに小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内に近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分で混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。感染すると2〜7日の潜伏期間のあと、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、咳といった上気道症状に加え、倦怠感・発熱・筋肉痛・頭痛といった全身症状が生じることが多く、その症状はインフルエンザとよく似ています。オミクロン株が主流となった現在は、嗅覚・味覚障害の症状は減少しています。軽症の場合は1週間以内に症状が軽快することが多い一方、発症から3か月を経過した時点で何らかの症状が2か月以上持続し、他の疾患による症状として説明がつかない場合には、罹患後症状(後遺症)の可能性を考える必要があります。

新型コロナウイルス感染予防のために

去年の5月8日に新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行し、感染対策の実施については個人・事業者の判断が基本となりました。高齢者や基礎疾患がある方が感染した場合は重症化するおそれがあるので、自身がうつらない、そしてうつさないことが重要です。感染対策には、「咳エチケット」「マスク着用」「手洗い」「換気」があげられます。
・咳エチケット
くしゃみやせきが出るときは、飛沫を含んだウイルスを排出しているかもしれません。人にうつさないためにも、ティッシュなどで鼻や口を覆う、とっさのときは袖や上着の内側で覆う、周囲の人から離れるなどの咳エチケットを心がけてください。
・マスク着用
マスクも飛沫を飛ばさないために有効です。医療機関を受診する時や、通勤ラッシュ時など混雑した電車・バスに乗車する時、高齢者や基礎疾患のある方に会う時などは、マスクを着用しましょう。
・手洗い
感染はウイルスを含む飛沫が口や鼻、眼などの粘膜に触れること、またウイルスがついた手で口や鼻、眼の粘膜に触れることで起こります。手についたウイルスを減らすためには手洗いが重要で、15秒の流水で洗うだけで1/100に。石けんやハンドソープで10秒間もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1/10000に減らすことができます。手洗いがすぐにできない状況では、アルコール消毒液も有効です。
・換気
また室内に浮遊するウイルスを減らすためには、換気が重要です。窓を使った換気を行う場合、風の流れができるように2方向の窓を、1時間に2回以上、数分程度全開にしましょう。また、換気扇を利用することでもウイルスを減らすことができます。


引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について令和6年第19週

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏