半年以上前に更新された記事です。
厚生労働省が2月9日に発表した「インフルエンザの発生状況について」令和6年第5週(1/29-2/4)によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は22.62。これで4週連続増加となりました。2023年は12月前半(令和5年第49週)に警報レベルとなる33.72となる大きな流行になりましたが、この先再び警報レベルに達する流行となるのでしょうか?医師を取材しました。
【2月に注意してほしい感染症!】新型コロナ増加に勢い新たな流行株JN.1への置き換わり一因か… インフルエンザ動向に注意
感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は、「インフルエンザが、2023年の12月前半に報告数のピークを迎えた時は、流行株はA型ウイルスが主流でしたが、現在はB型ウイルスが流行の中心となっています。そのため、年明けに再び流行が拡大しているものと思われますが、報告数の増加はそれほど急激ではなく、臨床の現場でも一時の勢いは感じられません。例年は2月前半にピークを迎える年が多く、今年もそろそろピークアウトに向かうのではないかと予測しています。次週(第6週)のデータ次第では、その傾向がさらにはっきりしていくと思います」としています。引き続き感染に注意を!
とはいえ、一医療機関で一週間に20人以上のインフルエンザ患者が報告されている現在、大きな流行中であることには変わりはありません。引き続き予防に留意することが必要です。インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。A型、またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3日間ほどの潜伏期間のあと、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴で、あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られますが、風邪よりも全身症状が強いとされています。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。合併症にも注意が必要です。症状が出た場合は、医療機関を受診
発熱やノドの痛みなど、インフルエンザの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。もしインフルエンザに感染していた場合には、抗インフルエンザウイルス薬で治療することで、症状を軽くすることができます。抗インフルエンザウイルス薬の服用の適切な時期は、発症してから48時間以内です。発熱期間は通常1〜2日間短縮され、鼻やノドからのウイルス排出量も減少します。一方症状が出てから48時間以降に服用を開始した場合は十分な効果は期待できません。また病状にもよりますので、抗インフルエンザウイルス薬を使用する・しないは医師の判断になります。インフルエンザにかかった時に気をつけること
インフルエンザにかかった、あるいはかかったかもしれない時には、家族や会社の同僚、学校の友だちなどにうつさないようにすることも重要です。インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染です。周囲の人にうつさないようにするためには、・普段から咳エチケットを心がけ、咳やくしゃみを他の人に向けて発しないこと。
・咳やくしゃみが出ているときなどは、できるだけ不織布製マスクをすること。とっさの咳やくしゃみの際にマスクがない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆い、顔を他の人に向けないこと。
・鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗うこと。
などを心がけてください。
また、安静にして、休養や睡眠を十分にとること。お茶でもスープでも飲みたいものでよいので、水分を十分に補給することも重要です。
子どもの不意の行動に注意を
小児、未成年ではインフルエンザにかかった時は、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロと歩き回るなどの異常行動を起こすことが知られています。小さなお子さんがインフルエンザと診断され自宅で療養する場合には、少なくとも2日間は一人にならないように配慮してください。
引用
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和6年第5週(1/29-2/4)、インフルエンザQ&A
国立感染症研究所:「インフルエンザとは」「インフルエンザウイルス週別検出状況2023/2024シーズン」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和6年第5週(1/29-2/4)、インフルエンザQ&A
国立感染症研究所:「インフルエンザとは」「インフルエンザウイルス週別検出状況2023/2024シーズン」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏