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厚生労働省が1月26日に発表した「インフルエンザの発生状況について」令和6年第3週(1/15-21)によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は17.72。前週(令和6年第2週)から約36%増加しました。沖縄では再び警報レベル(30人)を超え、埼玉、千葉、愛知、奈良、愛媛、そして長崎を除く九州各県(福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島)で20を超えています。
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首都圏、関西圏でも増加傾向に
そして首都圏や関西圏など人口の多い地域で増加傾向にあります。前週との比較では、東京10.11→16.24、神奈川11.96→18.71、京都11.83→19.63、大阪12.08→19.23、兵庫11.43→19.48と大幅に増加しています。インフルエンザとは?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。A型、またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3日間ほどの潜伏期間のあと、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴で、あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られますが、風邪よりも全身症状が強いとされています。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。合併症にも注意が必要です。感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長の安井良則医師は「年末年始の休みが明け、インフルエンザの患者数が再び増加しています。注目すべきなのは、これまでのインフルエンザA型の流行に加えて、1月に入ってからはB型が検出される割合が増加していることです。これからB型が流行する兆しもあり、患者数が再び増加していく可能性は十分にあると思います。しかし、再増加と言っても、昨年末の規模には及んでいません。引き続き、注視が必要でしょう」としています。学級閉鎖も再び増加傾向に
また、年末年始で減少していた学級閉鎖も再び増加し、第3週には2205のクラス(保育所、幼稚園、小中高校)で学級閉鎖となりました。これは去年の第51週(12/18~24)と同レベルの発生数です。子どもたちを中心に、社会全体へインフルエンザが広がりつつあります。インフルエンザの予防法は?
インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下が挙げられます。・外出後の手洗い
流水・石けんによる手洗いは手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法です。またアルコール製剤による手指衛生も効果があります。
・適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。
・十分な休養とバランスの取れた栄養摂取
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日頃から心がけましょう。
・人混みや繁華街への外出を控える
特に高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出をして人混みに入る可能性がある場合には、ある程度飛沫感染を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは、一つの防御策と考えられます。
また、冬場には室内の換気が不十分のことがあります。寒いですが定期的に窓を開けて、室内の空気を入れ替えることが重要です。換気扇の利用も有効です。
まだまだインフルエンザの流行しやすい季節は続く
新型コロナウイルス感染症が流行した3年間、インフルエンザの大きな流行はありませんでしたが、昨シーズンから今シーズンにかけて流行が続いています。かつては1〜3月ごろに患者数が増加する傾向にあったので、まだまだインフルエンザの流行しやすい季節にあるといえます。また新型コロナをはじめ、他の感染症の報告数も増えています。手指衛生、場合によってはマスクを着用し、咳エチケットを心がけるなど基本的な感染対策を引き続きお願いします。
引用
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和6年第3週(1/15-21)、インフルエンザQ&A
国立感染症研究所:「インフルエンザとは」、「インフルエンザウイルス週別検出状況2023/2024シーズン」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和6年第3週(1/15-21)、インフルエンザQ&A
国立感染症研究所:「インフルエンザとは」、「インフルエンザウイルス週別検出状況2023/2024シーズン」
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏