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厚生労働省が1月12日に発表した「インフルエンザの発生状況について」令和6年第1週(1/1-7)によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は12.66。前週(令和5年第52週)から約58%減少しました。全国でも警報レベル(30人)の都道府県はなくなりました。インフルエンザはこのままピークアウト、流行がおさまるのでしょうか。
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感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい大阪府済生会中津病院院長補佐兼感染管理室室長の安井良則医師は、「この第1週のデータは、学校や医療機関の年始休み期間を含んでいるので、例年多くの感染症の報告数は減少します。インフルエンザも同様で、実際の流行状況を正しく反映しているとは限りません。当医院の調査では、去年の流行の初めにはA型のウイルスが多く検出されていましたが、去年12月後半よりB型が検出されるようになってきました。また、今もインフルエンザに感染して入院される方も毎日のようにいらっしゃいます。これらのことを考慮すると、インフルエンザの流行は大幅な増加はないものの、依然として続いているとしていいのではないかと思っています」としています。学校、職場などの再開とともに、感染者の増加?
また安井医師は、「現在は学校も職場も再開しましたので、規模はわかりませんが、再び感染者は増加しているものと思います。第2週、第3週のデータを注視し、これからも感染対策を続けていただければと思います」と語っています。インフルエンザとは?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。A型、またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3間ほどの潜伏期間のあと、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴で、あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られますが、風邪よりも全身症状が強いとされています。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。インフルエンザの予防法は?
インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下のものがあります。・外出後の手洗い
流水や石けんによる手洗いは、手指や体についたインフルエンザウイルスを物理的に落とす有効は手段です。また、アルコール製剤による手指衛生も効果があります。
・適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。室内では加湿器などを使って、適度な湿度(50〜60%)を保つことも重要です。
・十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取を心がけましょう。
・人混みや繁華街への外出を控える
インフルエンザの流行中は、特に高齢の方や基礎疾患のある方は人混みや繁華街への外出を控えましょう。
また、寒い冬には部屋の換気をついつい控えてしまいますが、感染を防ぐためには定期的に部屋の換気を行うことが重要です。これはインフルエンザだけではなく、新型コロナウイルスなどの感染症を防ぐためにも、ぜひ行ってください。
インフルエンザをきっかけに、さらに重い感染症に感染することも
インフルエンザの怖さには、合併症もあります。安井医師は、「当院にインフルエンザで入院される方は重症の方が多いのですが、インフルエンザそのもので重症になるというよりも、インフルエンザをきっかけに二次性細菌性肺炎や他のウイルス性肺炎などを併発し、症状が重くなっているケースが見られます。先日重症の肺炎で入院された方からは、上気道炎などを起こし、喘息に関与することが知られているライノウイルスが検出されました。子どもでは中耳炎の合併、熱性けいれんや気管支喘息を誘発するとされています。まだまだインフルエンザに感染しやすい季節が続きますので、引き続き予防に努めていただきたいと思います」と語っています。
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和6年第1週(1/1-7)、インフルエンザQ&A
国立感染症研究所:「インフルエンザとは」、「特別養護老人ホームにおけるライノウイルスの集団感染事例-富山県」(IASR Vol. 37 p.179-180: 2016年9月号)
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
国立感染症研究所:「インフルエンザとは」、「特別養護老人ホームにおけるライノウイルスの集団感染事例-富山県」(IASR Vol. 37 p.179-180: 2016年9月号)
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