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厚生労働省が、2023年12月15日に発表した「インフルエンザの発生状況について」第49週(12/4-10) によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は33.72。前週の26.72から、増加し、全国定点で30を超え、警報レベルとなっています。都道府県別にみると、北海道(60.97)・宮城県(57.49)・大分県(53.71)で多くの患者報告があがっています。また、同日に発表された第49週(12/4-10)の新型コロナウイルス感染症の定点報告数は、3.52。先週の2.75から、微増しています。新型コロナは、第47週から、3週連続の増加となっています。現状について、感染症の専門医に伺いました。
【2023年】12月に注意してほしい感染症!感染症の流行に適した季節に 専門医「インフルエンザ引き続き要注意 溶連菌感染症過去最高の恐れも…」 要注意は新型コロナウイルス感染症
感染症の専門医は…
感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「インフルエンザの今シーズンの流行については、予測が難しいです。第48週(11/27-12/3)は、いったん減少したものの、発表時点での学校サーベイランスの情報では、患者数は大きく減っておらず、ピークアウトの兆候は見られませんでした。現在、本格的な流行に適した寒さ厳しい季節に入ったこともあり、冬休み期間に入るまでは、増加は続くと考えていいでしょう。また、新型コロナも、着実に増加をみせています。直ちに、大きな流行となる訳ではありませんが、来月辺りから、増加してくる恐れもあります。年末年始が近づき、忘年会・新年会・帰省など、人との接触や移動が増える時期でもあります。感染症には、じゅうぶん気を付けて行動してください」としています。インフルエンザ症状と対策
インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染が主な感染経路です。他に接触感染もあるといわれています。飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルス感染症は、発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不じゅうぶんであったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。
引用
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」令和5年第49週、インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」令和5年第49週、インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A
取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏