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これから本格的な流行シーズン? これから本格的な流行シーズン?
厚生労働省が2023年11月10日に発表した「インフルエンザの発生状況について」令和5年第44週(10/30-11/5) によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は21.13。前週(43週)から約7%増加しました。これで、11週連続の増加となっています。都道府県別では、福島、埼玉、山梨、長野、愛知、愛媛で警報レベルとなる30を超えています。

【2023年】11月に注意してほしい感染症!専門医「インフルエンザ流行規模は予測不能 溶連菌感染症の動向気がかり 季節外れの流行のアデノウイルス感染症も…」 要注意は梅毒

幼稚園や保育所、小中学校、高校で学級閉鎖が多発!

また、全都道府県で学級閉鎖が発生していて、保育所32、幼稚園149、小学校3282、中学校1285、高等学校274、合計5067施設で学級閉鎖や学年閉鎖、休校などの休業が発生しています。子どもたちの間でもインフルエンザは流行しています。

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴です。あわせて普通の風邪と同じように、ノドの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。子どもではまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力の低下している方では、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。

感染症に詳しい医師は…

感染症に詳しい大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「インフルエンザの定点当たり報告数は依然として増加を続けていますが、急激に増加をしているという状況にはありません。ただし、全国的に冬の気候になってきましたので、例年通り流行が拡大していく可能性もあると思います。一方では、11月に入ってインフルエンザによる学校欠席者が減少しているというデータもあり、子どもの間での流行は、いったん落ち着きをみせる可能性もあります。しかし、これからの流行については予測が難しい状況にあります。例年であればこれからインフルエンザの流行の季節になりますので、予防を心がけていただきたいと思います」としています。

インフルエンザの予防法は?

インフルエンザを予防する有効な方法はいくつかあります。
・外出後の手洗いなど
流水・石けんによる手洗いは手指などに体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法です。アルコール製剤による手指衛生も効果があります。
・適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保つことも効果的です。
・十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日頃から心がけましょう。
・人混みや繁華街への外出を控える
インフルエンザが流行してきたら、特に高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度飛沫感染等を防ぐことができる不織布製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。
・ワクチン接種
インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。

海外からの観光客が感染しているケースも

安井医師の勤務する病院では、海外の観光客がインフルエンザで入院するケースも出ているそうです。安井医師は「現在、海外から観光で来られた方が重症のインフルエンザで入院されています。その方は来日前から体調が悪かったそうで、おそらく外国で感染していたと思われます。海外からの観光客が増加することによって、感染症を持ち込むというケースはこれからも増えていくのではないかと思います。場所によってはマスクを着用するなど、予防を心がけていただきたいと思っています」と語っています。

引用
厚生労働省:「インフルエンザの発生状況について」令和5年第44週(10/30-11/5)、インフルエンザQ&A、

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏