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厚生労働省が2023年8月4日に発表した第30週(7/24〜30)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は15.91と前週の13.91から約14パーセント増加しています。東京都では、定点辺りの報告数が10を超え、11.12(前週9.35)と前週と比べ約19%増えました。新型コロナウイルス感染症は、これまでも、夏に大きな流行を迎えています。今後、患者数が大きく増えるおそれもあり、注意が必要です。
【2023年】8月に注意してほしい感染症! 専門医がコロナ「大きく増加」と予測 要注意は梅毒・腸管出血性大腸菌感染症など多数
感染症の専門医は…
感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「新型コロナの定点報告数は、インフルエンザ定点医療機関で報告された数値で、新型コロナウイルス感染症への当てはめは難しいです。しかし、目安として、定点報告数が20を超えれば大きな流行となり、30を超えると医療ひっ迫が始まる目安となるのでは無いかと考えて頂ければと思います。つい先日、8月は医療がひっ迫する可能性があるため、共に働く医療現場の方々に心の準備をしておくよう、お願いしました。オミクロン株の流行以来、症状は軽症が多いと言われていますが、大きな流行となり、多数の患者が出た場合は、重症化される方が、一定の割合で出ます。大阪府も先月末頃に警戒フェーズを1段階上げるなどしています。現在、大阪府からの要請などが勤務先にあり、入院患者は日増しに増えています。高齢の方や基礎疾患がある方は感染すれば重症化リスクも高まります。新型コロナウイルス感染症は単なる風邪ではなく、注意すべき感染症です。引き続き感染対策を続け、感染しない、そして感染させないことを心がけていただければと思います」としています。XBB系統が流行
現在流行しているのはXBB.系統の変異株がほとんどと言われています。この変異株の特徴は、感染やワクチンによって免疫を獲得していても、それをすり抜けて感染する能力が高いです。以前に新型コロナウイルス感染症に感染したことがあっても、またワクチンを接種していても感染・発症する可能性があるということが、感染拡大の一因になっているのではないかとみられています。夏の感染対策のポイント
感染対策としては従来どおり、「換気」「手洗い・手指消毒」が有効です。冷房を入れていても換気を心がけ、換気扇も活用してください。ウイルスは手から目や鼻、口に入ることがあるので、流水や石けんによる手洗い、アルコール製剤などでの手指消毒が有効です。また、高齢者や基礎疾患のある方が感染すれば、重症化リスクが高まります。夏休みやお盆で帰省するなど高齢の方と会う場合や、大人数で集まる場合は、感染予防を心がけ体調を整えるようにしましょう。医療機関や高齢者施設を訪問するときには、うつさないためにもマスクの着用が効果的です。
引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について(2023年8月4日)
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について(2023年8月4日)
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏