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厚生労働省が7月28日に発表した令和5年第29週(7/17〜23)の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」によると、全国の定点当たり報告数は13.91。前週から約26パーセント増加しています。
【2023年】8月に注意してほしい感染症! 専門医がコロナ「大きく増加」と予測 要注意は梅毒・腸管出血性大腸菌感染症など多数
第8波と比べてみると・・・
新型コロナウイルス感染症の定点当たり報告数は、5類感染症に移行した今年の5月8日以降に厚生労働省から発表されています。それ以前のデータに関しては去年10月以降のものが参考値として公表されていて、第8波のピーク(去年12月)の定点当たり報告数(参考値)は29.83となっています。今回の流行は、第8波に匹敵するものになるのでしょうか?感染症に詳しい医師は・・・
感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「当院でも新型コロナウイルスの患者さんは、日増しに増えています。大阪府からも、新型コロナの患者用の病床を最大限に確保するよう要請が来ていますが、これ以上患者が増加するならば、さらに病床を増やすことも検討しなければなりません。学校などが夏休みに入り、人の動きも活発になっていますし、外国人の旅行客の姿もよく目にするようになりました。過去の例などを参考に考えると、あと1か月程度、8月の中頃まではこのまま感染の拡大傾向が続くのではないかと予測しています」と話しています。流行の実態が見えにくい
安井医師は、実際の流行は定点当たり報告数よりも多いのではないかと考えています。「新型コロナの定点当たり報告数は、インフルエンザ定点からの報告数が元になっています。インフルエンザ定点は全国約5000の医療機関からなりますが、そのうち約3000が小児科です。学校や幼稚園が夏休みに入り、集団感染の機会が減ることから、この時期は子どもの感染が減ることが考えられます。新型コロナの患者の中心は大人ですから、実際は定点当たり報告数よりも大きな流行になっているかもしれません」
各県が独自に新型コロナの注意報を発令
インフルエンザの場合、流行の目安として報告数が10を超えると注意報レベル、30を超えると警報レベルとなっています。しかし新型コロナウイルス感染症の場合、まだデータが少ないために、国による基準はまだ定められていません。こうした中、各自治体で独自に基準を設けて注意を呼びかけています。静岡県では第27週に定点当たり報告数が8を超えたため、7月14日に感染拡大注意報を全県に発令しました。警報レベルを16と設定していますが、29週ではまだ警報レベルを超えていません。鳥取県では、定点当たり報告数が20を超えると警報レベルとしており、中部・西部ですでに警戒レベルに入っています。また、全県に新型コロナ注意報を発令し、注意を呼びかけています。
新型コロナウイルス感染症に備えるために
いつ感染するかわからない、新型コロナウイルス感染症。もしもの時に備えて、日頃から新型コロナ抗原定性キットを準備しておきましょう。国が承認した「体外診断用医薬品」は薬局などで購入できます。そして、発熱や呼吸器症状など、感染が疑われる場合はキットでチェック。陽性だった場合は、症状が軽い場合は自宅で療養。症状が重い場合や、高齢者・基礎疾患を有する方・妊婦など重症化リスクが高い方は、医療機関に連絡をして、指示を仰いでください。自宅療養に備えて、解熱鎮痛薬を用意しておくことも重要です。感染していた場合は、特に発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いので、発症日を0日目として5日間は外出を控えてください。また10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があるので、不織布マスクを着用したり、高齢者など重症化リスクの高い方との接触は控えましょう。
引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について令和5年第29週(7/17〜23)、新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
静岡県:新型コロナウイルス感染症関連情報「感染拡大注意報発令中です」(2023年7月28日)
鳥取県:新型コロナウイルス感染症特設サイト(2023年8月1日更新)
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について令和5年第29週(7/17〜23)、新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
静岡県:新型コロナウイルス感染症関連情報「感染拡大注意報発令中です」(2023年7月28日)
鳥取県:新型コロナウイルス感染症特設サイト(2023年8月1日更新)
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏