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乳幼児は特に感染に注意を! 乳幼児は特に感染に注意を!
 国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報2023年14週(4/3〜9)によると、RSウイルス感染症の患者の定点あたりの報告数は0.53。前週よりも0.05ポイント増加しました。これで6週連続増加しています。都道府県別では、鹿児島の2.4を筆頭に、北海道、富山、福井、大阪、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島で1を超えています。

経験談(2歳・奈良県)

 奈良県から2歳のお子さんのRSウイルス感染症の経験談が寄せられています。

4/11 朝から39℃の高熱あり。若干の鼻水、咳あり。
小児科受診し、痰切りの薬処方される。
喉の腫れ方的に喉からの熱ではなさそうで様子見とのこと。
3日熱が下がらないともう一度受診するよう言われる。
夜しんどいと言っていたので解熱剤を座薬で入れる。

4/12熱が下がらず一日中38.5〜39℃の発熱。
少し痰混じりの咳が寝てる時、寝る前にでだす。
本人元気に走り回っていたので解熱剤入れず。

4/13朝から38〜38.5℃の発熱。
夜も熱下がらず病院に電話し、受診。
一応RSの検査してみようと言われ検査するとRSウイルス陽性。
肺の音は綺麗との事で前の薬の残りを飲ませて様子見てとのこと。
むせ込むとなかなか咳が止まらず寝てる時もむせ込む事あり。

4/14朝からまだ熱下がらず38〜38.5℃
食欲がないのかカルピスとうどん4~5口しか食べず。
しんどいと言いつつ元気なのは元気で走り回る。
痰がらみの咳き込みが増えてきて黄色っぽい鼻水もダラダラとでだす。

4/15朝38.2℃の発熱あり。食欲は相変わらずなし。
バナナ半分。プリン半分は食べる。
昼頃から急に37.5℃に下がりだす。
20:00頃には36.9℃。相変わらず咳き込みあり。
うどん5口、小さいバームクーヘン半分食べる。
22:00熱36.8℃と熱上がらず様子見。

感染症の専門医は・・・

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「高熱が続いたことで座薬が処方されたのだと思いますが、おそらく熱を急激に下げるためではなく、お子さんの辛さを和らげるために39℃から38℃程度に下げる効果のある薬だと思われます。熱が出るのは体がウイルスと戦っているということなので、必ずしも悪いことではありませんが、脱水症状や食事ができないなど体力の低下にもつながりますので、あまり辛いようでしたら、解熱剤の利用をしてもいいと思います。また、肺の音が綺麗だったということですが、RSウイルス感染症は呼吸器に重篤な症状が出る感染症ですので、呼吸の様子を特に気にかけていただいた方がいいと思います。幸い熱が少し下がってこられたようですので、早く元気になるよう願っています」と語っています。

RSウイルス感染症とは?

 RSウイルス感染症の症状は、軽い風邪のような症状から、重症の細気管支炎や肺炎など様々です。RSウイルスは世界中に存在するウイルスで、生まれてから1年以内に50〜70%が罹患し、3歳までにすべての子どもが抗体を獲得します。それからも何度も感染しますが、重症になることは少ないとされています。

 潜伏期は2〜8日、典型的には4〜6日とされていて、発熱、鼻汁などの上気道炎症状が続き、その後下気道(気管、気管支、肺など)に症状が現れます。また、38〜39℃の発熱が起こることもあります。肺炎や細気管支炎など症状が重くなるのはほとんどの場合は3歳以下で、入院事例のピークは生後2〜5か月とされています。

 特に注意が必要なのは、乳幼児の感染です。生後1か月未満の赤ちゃんがRSウイルスに感染した場合は、症状がわかりにくく診断が困難で、突然死につながる無呼吸発作を起こすことがあります。

 子どもが元気ないと辛いですよね。

 少しでも異変があれば迷わず病院に電話しましょう!

 看病も疲れますよね。お母さん、お父さんも休憩してくださいね。

引用
国立感染症研究所:感染症発生動向調査週報2023年14週(4/3〜9)、RSウイルス感染症とは
厚生労働省HP:RSウイルス感染症Q&A

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏