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感染・予防対策を改めて確認! 感染・予防対策を改めて確認!
 新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数は、1月上旬に第8波のピークを迎えて以来減少を続けていましたが、4月に入り低調になっていました。

 しかし、2023年4月13日の全国の新規陽性者数は9128人と、ここに来てわずかながら増加傾向になっています。

 今も各地で集団発生のニュースが報じられており、新型コロナの流行は収まったわけではありません。

感染症の専門医は・・・

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「現在は落ち着きを見せている新型コロナウイルス感染症ですが、関東を中心に東日本でやや増加に転じています。新型コロナは若い人から高齢者へと感染が広がり、重症患者や入院患者が増えていくというのが、これまでの傾向です。春休みで人の移動があり、4月に入り新学期が始まりましたが、その影響が出てくるはこれからだと思います」と語っています。

発熱や咳などの症状がある場合にはどうすれば?

 発熱や咳などがある場合は、新型コロナウイルス感染症の疑いがあります。各都道府県には相談や医療体制に関する情報が得られる「受診・相談センター」(※地域により名称が異なることがあります)が設置されているので、まずそちらに連絡を取り、発熱等を呈する患者の検査や相談を受けることができる医療機関の紹介、受診方法の案内などを受けてください。また、普段からかかりつけ医などにかかっている方は、その医療機関に相談するといいでしょう。また、院内感染を防止するため、緊急の場合を除いては、事前の連絡なく医療機関を直接受診することは控えましょう。

次の条件に当てはまる方は、すぐに相談を

・息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
・重症化しやすい方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合(高齢者、糖尿病・心不全・呼吸器疾患などの基礎疾患がある方、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方)
・上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合(症状が4日以上続く場合、自身が強い症状だと思う場合、解熱剤などを飲み続けなければならない場合も)

マスクの着用は、以下の場合には注意を

 また、今年3月13日からマスク着用は個人の判断が基本になり、マスク無しで外を歩いている人も多くなりました。現在、一律のルールはありませんが、次のような場面ではマスク着用が推奨されています。

<マスク着用が効果的な場面>
高齢者等重症化リスクが高い方への感染を防ぐため、
・医療機関受診時
・高齢者等重症化リスクが高い方が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等への訪問時
・通勤ラッシュ時等混雑した電車やバス(概ね全員が着席が可能であるものを除く)に乗車する時

<症状がある場合等の対応>
下記の方は、周囲の方に感染を広げないため、外出を控え、通院等やむを得ず外出するときには、人混みを避け、マスクを着用してください。
・症状のある方
・新型コロナウイルス感染症の検査陽性の方
・同居家族に陽性者がいる方

 学校では、児童生徒及び教職員に対しては、マスクの着用を求めないことが基本となっています。しかし、登下校時に混雑した電車やバスを利用するなど、場面に応じてマスクの着用が推奨されています。

令和4年秋開始接種は5月7日で終了

 勤務する病院で多くの新型コロナウイルス感染症の患者を診察してきた安井医師は、「新型コロナウイルス感染症で入院される方は、人工呼吸器が必要などそれなりに症状の重い方になりますが、ワクチンを接種している方よりも、していない方のほうが重症化する傾向があると感じています」と語っています。

 現在行われている「令和4年秋開始接種」は5月7日で終了し、高齢者や重症化リスクが高い方以外は9月以降開始の「令和5年秋開始接種」までワクチンの追加接種が受けられなくなります。「令和4年秋開始接種」を希望する場合には、早めに接種しましょう。

引用
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(※報告日別新規陽性者数/2023年4月11日)、新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け/令和5年3月13日版)
東京都保健福祉局:新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(第4087報/令和5年4月11日)

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏