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厚生労働省の2023年3月3日発表の資料によると、2023年第8週(2/20-2/26)のインフルエンザ定点(全国約5000定点医療機関)あたりの報告数は、全国で11.32人。前週の12.56人から、減少しました。
都道府県別にみると、石川で48.17人・岩手で41.37人と増加した地域はあるものの、大阪14.74人(前週22.09人)・東京8.53人(前週10.04人)・福岡15.45人(前週19.84人)と大都市圏では、落ち着きをみせ始めました。
感染症の専門医は…
感染症の専門医で大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「大阪府では、インフルエンザが3週連続で減少し、ピークアウトしたと言ってもいいでしょう。3月に入り、気候もおだやかになっていくため、流行しているA型の流行は、今後、収束していく可能性が高いです。今シーズン、関東地方では大きな流行は見られませんでしたが、季節的に減っていくと考えられます。コロナ禍前のインフルエンザの流行傾向として、春休みに入ると報告数が減少します。春休み前までは、一応、注意が必要です。今シーズン、インフルエンザと新型コロナの同時流行について、懸念されていました。しかし、同時期の流行はあったものの、大阪では、インフルエンザの報告があったのは14歳以下のお子さんが多く、新型コロナは大人での間での流行と、住みわけができていたような印象です。一方、気がかりなのは、インフルエンザの流行が収まったのちに、新型コロナの報告数が、どのように推移するのかです。こちらには注視が必要と考えています」としています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏