健康こそがコロナ対策! 健康こそがコロナ対策!
 厚生労働省によると、2022年12月27日の新型コロナウイルス感染症の新規感染者は、全国で、202,853人が報告されています。

 東京都では22,063人の報告があったほか、山口県・愛媛県・島根県・岐阜県では、過去最多となっています。

 流行のピークアウトの兆候はいまだ見られず、年末年始でさらなる拡大も懸念されています。

BQ.1など変異株の置き換わりは?

 第111回(令和4年12月21日)に発表された新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料によると、第51週(12/19-25)の新型コロナの変異株の検出割合は、オミクロン株のBA.5が55%、BQ.1は32%、BA.2.75が11%になると推定しています。BQ.1は中和抗体からの逃避能が高い可能性が示唆されており、流行に一因になるのではないかと予測もあります。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「第8波の流行当初は寒波の到来が早い北日本や日本海側の地域で流行水準が高かったのですが、12月に入り九州や四国地域での流行水準が高くなってきています。新型コロナウイルス感染症は、これまで2年続けて冬の季節に流行が拡大していますが、前回の冬は2022年の年明けから急激に新規陽性者が増えました。それに比べると、今回の冬は流行の始まりが早まっていると言えます。これから年末年始に向けて、帰省や旅行で人の移動が増えます。それと同時に新型コロナウイルスの流行も一層高まる可能性は十分にあると思います。ここで気を緩めず、引き続き感染対策に気を配っていただきたいです」と語っています。

流行拡大は第7波のピークに近づいている

 データを見ると、12月21日の全国の重症者数は545人で、第7波のピーク646人に近づいています。また1日の死亡者数は339人で、第7波のピーク347人と同レベルになっています。病床使用率は全国平均で50%を突破。これ以上の感染拡大が続くと、第7波以上の流行となり、医療のひっ迫も懸念されます。

高齢者の感染に引き続き注意を

 気がかりなのは、高齢者の感染です。

 新型コロナによる累積の年代別死亡者数を見ると、9割近くが70代以上の方となっています。高齢者福祉施設での集団感染も1週間に600件以上も発生しており、依然として高齢者にとっては注意が必要な感染症です。

高齢者として気をつけたいポイント

 喫煙者や糖尿病、心疾患などの基礎疾患がある方は、感染症が重症化しやすいので、注意が必要です。また、感染を恐れるあまり外出を控えすぎて「生活不活発(動かないこと)」になると、身体や頭の動きが低下したり、歩行や身の回りのことなど生活動作がしにくくなったり、疲れやすくなるなどフレイル(虚弱)が進んでいきます。フレイルが進むと、体の回復力や抵抗力が低下し、新型コロナなどの感染症にかかると重症化しやすい傾向があります。このフレイルの進行を予防することが、高齢者の新型コロナ対策にもなります。

フレイルの進行を予防するために

・座っているなど、動かない時間を減らしましょう。テレビを見ている時にも、コマーシャル中に足踏みをするなど、身体を動かしましょう。

・ラジオ体操など自宅でできる運動をして、筋肉を維持し、関節も固くならないように気をつけましょう。

・屋外などで散歩することも有効ですが、感染症にかからないためには人混みは避けましょう。

・しっかり食べて栄養をつけ、バランスの良い食事をしましょう。ただし、食事制限を受けている方は、かかりつけ医の指示に従ってください。

・口の中を清潔に保つことも、感染症予防に有効です。毎食後、寝る前の歯磨きの徹底。また義歯の清掃も大切です。

・口の力が衰えないように、会話を増やすこと。電話でもいいので誰かと話したり、歌を歌ったり、早口言葉もおすすめです。そして、人と人との交流は心の健康にも繋がります。

引用
厚生労働省:データからわかる新型コロナウイルス感染症情報(令和4年12月22日)、
第111回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年12月21日)、
日本老年医学会:新型コロナウイルス感染症「高齢者として気をつけたいポイント」

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏