半年以上前に更新された記事です。
鳥インフルエンザが、全国的に猛威をふるっています。
12月20日の鳥インフルエンザ関係閣僚会議資料によると、国内では岡山県倉敷市の養鶏場で、10月末に初めての発生が確認されたのち、これまでに43例が確認されたとしています。
対象となっているのは、鶏、あひる、うずら、きじ、だちょう、ほろほろ鳥 及び七面鳥で、鳥インフルエンザのうち、死亡率が高いか、ウイルスが変異することで、死亡率が高くなる可能性のあるものを「高病原性鳥インフルエンザ」と呼びます。
高病原性鳥インフルエンザが養鶏場で確認された広島県では、対策として、出荷制限を実施したほか、陸上自衛隊に災害派遣を要請し、鶏の処分を行う事態となっています。
気になるのが、鳥インフルエンザは、ヒトに感染することがあるのかについてです。
感染症の専門医を取材しました。
感染症の専門医は…
感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「養鶏場の関係者の方は、ご苦労なさっていると思い、非常に気がかりです。しかし、鳥インフルエンザA(H5N1)については、カンボジア・タイ・ベトナムなど東南アジアで、鳥からヒトへの感染・発症が報告されていますが、養鶏場で働いている方で曝露機会が多い方を除き、日本の方は、そこまで心配しなくても、現状は問題無いと考えます。鳥からヒトへの感染は確認されているとは言え、これまでのところ、ヒトからヒトへの持続的な感染は確認されていません。また、日本国内で、人の発症は確認されていないことからも、現時点で、必要以上に、神経質になることはないでしょう。」としています。まとめ
内閣府食品安全委員会は、「国内の現状においては、鶏肉や鶏卵を食べることにより、鳥インフルエンザがヒトに感染する可能性はないと考える」としています。また、厚生労働省は、予防策として、鳥との接触を避け、むやみに触らないことや、手指衛生の励行を挙げています。
人が感染した場合の症状
初期症状の多くが、高熱と急性呼吸器症状を主とするインフルエンザ様疾患の症状を呈する。下気道症状は早期に発現し、呼吸窮迫、頻呼吸、呼吸時の異常音がよく認められ、臨床的に明らかな肺炎が多く見られる。呼吸不全が進行した例ではびまん性のスリガラス様陰影が両肺に認められ、急性窮迫性呼吸症候群(ARDS)の臨床症状を呈する。
死亡例は発症から平均9~10日(範囲6~30日)目に発生し、進行性の呼吸不全による死亡が多く見られる。
予防
鳥との接触を避け、むやみに触らない。生きた鳥が売られている市場や養鶏場にむやみに近寄らない。
手洗いの励行(特に発生国では徹底してください)。
引用 厚生労働省HP 鳥インフルエンザA(H5N1)について
首相官邸HP 鳥インフルエンザ関係閣僚会議資料(令和4年12月20日)
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
首相官邸HP 鳥インフルエンザ関係閣僚会議資料(令和4年12月20日)
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏