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引き続き注意 引き続き注意
 国立感染症研究所の第38週(9/19-9/25)の患者報告(全国約3,000カ所の小児科定点医療機関)によると、RSウイルス感染症の患者報告数は、前週と比べやや減少しています。

 一方、この週は、2日間の祝日で、休診中の医療機関があるため、引き続き、注意が必要です。

 「感染症・予防接種ナビ」にも、1歳1か月の男児のRSウイルス感染症の経験談が寄せられています。

1歳1か月の男児が初感染

 1歳1ヶ月の男の子です。初RSウイルスです。

 保育園に通っている兄からうつりました。兄(4歳)は発熱後4日で解熱、4日間は38℃~39℃台前半で推移。もともと喘息があり肺炎が疑われたが3日目に血液検査を行うもそんなに悪くなってないとのことで、抗生物質をもらい自宅で療養。現在発症から8日たちましたが、咳はまだ残っている。

 発症1日目、朝36.6℃咳が気になるようになった。昼には37.4℃少しゼーゼーしてる、夕方には37.2℃本人は割と元気。水分もごはんも食べられる。機嫌もそんなに悪くない。病院に行くも、そんなにひどくないとのことで薬をもらう。深夜38.9℃嘔吐2回、機嫌が悪く寝れない。

 発症2日目、朝39.0℃昼39.2℃、夕方40.1℃、夜に座薬をするもあまり熱は下がらず。

 発症3日目、早朝ぐずぐずして寝れない。体温が高くて機嫌が悪いように見えた。朝から38.7℃、下痢になった。昼39.4℃、この日になると笑わなくなり、ぐったりするようになったが、水分は摂れている。激しい咳き込みから呼吸困難になったように見えたので急いで救急で診てもらうが、酸素濃度95で、水分も摂れてるとのことで帰宅。明日、明後日がピークでしょうと言われる。夕方39.1℃、寝る前は39.0℃。

 発症4日目、朝は39.1℃、昼38.5℃嘔吐1回下痢2回、夕方38.7℃、寝る前39.0℃。水分は摂れているが元気はない。食欲もない。ひたすら辛そう。

 発症5日目、1時に座薬。3時36.4℃まで下がって比較的寝れていた。しかし朝は38.5℃。元気も食欲もなく、たまに寝返りを打つ程度の動き。うーうーうーと熱にうなされてるのか、辛いのか、同じ言葉を繰り返す。昼38.2℃、夕方38.8℃、寝る前38.9℃。

 発症6日目、朝39.0℃と全然変わらないので救急へ。病院では40.2℃。診察は聴診器、喉をみる、耳を見る(中耳炎の有無を確認?)血中酸素濃度はうまく測れず89~91の間とかに見えたが看護師さんが問診に96と記載していた。(ここでやや不信感)水分摂れてるなら、今すぐ入院するレベルでないと言われ、足りない薬のみもらって帰宅。夕方39.4℃、寝る前39.9℃、22時に座薬。咳き込みがひどい。鼻水は目に見える範囲で出てなかったが、試しに鼻水吸引機で吸うとかなりどろっとしたものが取れた。やるべきは鼻水吸引だったのでは…。こまめに吸い出すが、症状改善されず。

 発症7日目、座薬が効いて2時の時点で37.2℃。朝になったらまた熱が上がりそう。

 7日も高熱が続くなんて上の子の時でもなかったので、本当に大丈夫なのだろうかと心配です。私もしっかりウイルスをもらい、鼻水と喉の痛みがあります。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「今年流行しているRSウイルス感染症は、高い熱が出る傾向があるということです。1歳未満での感染は、重症化する場合もあるので、保護者の方は、お子さんの呼吸状態をよく観察してあげてください。大阪府では、RSウイルス感染症の流行が、いったん落ち着きをみせた後に、ヒトメタニューモウイルス感染症の感染報告が増えた病院もありました。この2つの感染症は、症状も似ています。お子さんの健康状態が気になる方は、迅速検査キットが保険適用で使える場合もあります。かかりつけ医に相談してみてください。」としています。

RSウイルス感染症の症状

 RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスによっておこる呼吸器感染症です。

 潜伏期間は2~8日、一般的には4~6日で発症します。発熱、鼻汁などの上気道炎症状が数日間続き、初感染の小児の20~30%では、その後、下気道症状があらわれると言われています。感染が下気道、とくに細気管支に及んだ場合には特徴的な病型である細気管支炎となります。

 多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。RSウイルス感染症は乳幼児に注意してほしい感染症で、特に1歳未満の乳児が感染すると重症化しやすいです。お子さんに発熱や呼吸器症状がみられる場合は、かかりつけ医に相談してください。

感染経路

 RSウイルスに感染している人の咳やくしゃみ、又は会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込むことにより、飛沫感染します。感染している人との直接の濃厚接触や、ウイルスがついている手指や物(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったり又はなめたりすることによる、間接的な接触感染でも感染します。

予防方法

 RSウイルス感染症には特効薬はなく、治療は症状を和らげる対症療法になります。

 RSウイルス感染症のワクチンはまだ実用化されていません。

 予防方法としては手洗い、うがい、咳エチケットなどが有効です。咳などの呼吸器症状がある場合は、飛沫感染の対策としてマスクを着用して子どもに接することが大切です。接触感染の対策としては、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すり等はこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、流水・石鹸による手洗いか又はアルコール製剤による手指衛生の徹底が重要です。

引用:厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A」
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏