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この冬、インフルエンザが大きく流行する可能性があります。
現在、まだ数は少ないものの、全国各地で感染の報告があり、発熱などの症状がある人を検査をしたところ、新型コロナは「陰性」。
しかし、インフルエンザが「陽性」だった事例も発生しています。
これからは発熱や咳(せき)などの症状がある場合、新型コロナウイルス感染症だけではなく、インフルエンザの可能性も考える必要がありそうです。
インフルエンザとは?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる感染症です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れるのが特徴です。あわせて普通の風邪(かぜ)と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。子どもはまれに急性脳症を、高齢の方や免疫力が低下している方は、二次性の肺炎を伴うなど、重症になることがあります。
各地でインフルエンザを発症
2022年第34週(8月22~28日)、インフルエンザの定点あたりの報告数は、福岡県が31例、愛知県は14例、神奈川県は9例ありました。大阪府も9例だったものの、今年7月には1週間で100例を超えたこともありました。
感染症の専門医は・・・
感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「日本では例年12~3月が流行のシーズンですが、ここ2年、流行がありませんでした。しかし、世界に目を向けてみると、日本と季節が逆で冬を迎えているオーストラリアでは今、A型インフルエンザが流行しています。また、アメリカ、フランス、ブラジル、中国などでもインフルエンザの患者が増えています。先日、外国人の新規入国制限の見直しが行われましたが、海外の方の入国が増えると、それに伴いウイルスが持ち込まれることが予想されます。また、国内においても行動の制限が緩和されてきましたので、人流の増加に伴い、インフルエンザに感染する方が増え、今年の冬は流行に発展する可能性が高いと予測しています」と語っています。新型コロナウイルス感染症と同時流行の可能性も
また安井医師は、新型コロナについても、このように話しています。「一昨年から去年にかけて、そして去年から今年にかけて、冬には2シーズン続けて新型コロナウイルス感染症の流行の波がありました。ですので、今年から来年にかけての冬のシーズンは、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザが同時流行する可能性があります。新型コロナウイルス感染症とインフルエンザは症状が似ているので、感染が疑われる場合は、両方の検査をしたほうがいいと思います」
インフルエンザの予防法
インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。予防については、新型コロナウイルスの感染予防と同様に、手洗いやマスク、また3密にならないように行動をすることが重要です。
また、インフルエンザの発病や重症化を防ぐためにはワクチンが有効です。
13歳以上の方は原則1回、13歳未満の方は2回接種が基本です。
65歳以上の方、また60~64歳で心臓、じん臓もしくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活を極度に制限される方などは、定期接種となっています。
インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同時接種が可能です。
インフルエンザワクチンの接種は例年10月頃から始まります。
免疫がつくまでに約2週間かかるといわれているので、流行する前に接種を済ませることが重要です。
引用
厚生労働省 インフルエンザQ&A
神奈川県衛生研究所 緊急速報(2)神奈川県インフルエンザ情報
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
厚生労働省 インフルエンザQ&A
神奈川県衛生研究所 緊急速報(2)神奈川県インフルエンザ情報
取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏