コロナと異なる感染対策が必要 コロナと異なる感染対策が必要
 国立感染症研究所の第32週(8/8-8/14)患者報告数(小児科3000定点)によると、患者報告数は、手足口病・RSウイルス感染症など、全般的に下がっています。

 しかし、この週は、お盆休みに入った医療機関があった影響で報告数が減少していることも考えられます。

 そのため翌週以降も、患者報告数に、引き続き注視していく必要があります。

 手足口病の報告数は、依然、関東など東日本を中心に高い水準にあることに注意が必要です。

警報発令中の埼玉県では…

 埼玉県感染症情報センターによると、「埼玉県では、県内の流行基準を超えたため、8月5日に手足口病の流行警報を発令しています。第32週(8/8-8/14)とその翌週の患者報告数は減っていますが、依然、高い水準にあり、警報を解除できる段階にはありません。手足口病は、主に接触感染で広がりますが、保育園などでお盆休み期間に登園する子どもが減ったことで、集団接触の機会が減ったことも患者数減少の一因と考えられます。今後も、感染者数の動向を注視したい」としています。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「第32週(8/8-8/14)は、医療機関が、お盆休みに入っていることもあり、その影響で患者報告数が減少している可能性もあります。ピークアウトしたと判断せず、引き続き、患者数の推移を注視する必要があります。」としています。

手足口病とは?

 手足口病とは、主にコックサッキーウイルスA6,A16、エントロウイルス71が引き起こす、例年夏に流行する感染症です。子どもが中心の感染症で、報告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めています。

 主な症状としては、感染してから3〜5日後に、口の中、手のひら、足の裏などに2〜3ミリの水疱性の発しんが出ますが、数日のうちに治ります。発熱は発症者の約3分の1に見られますが、あまりが高くならないことがほとんどです。治療方法としては、特効薬はなく、症状に応じた治療となります。

 しかし、まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症や、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など様々な症状が出ることがあります。子どもが手足口病にかかったら、経過を注意深く観察し、合併症に注意する必要があります。

手足口病の感染経路は?

 手足口病の感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染する)が知られています。保育施設や幼稚園などでは子どもたち同士の距離が近く、飛沫感染や接触感染をしやすい環境になっています。またおむつの取り替えの時に糞口感染をする可能性があります。

手足口病の予防法

 手足口病には有効なワクチンはなく、流水と石けんで十分に手を洗うことが感染対策になります。また、タオルの共用は避けてください。保育施設等でおむつの交換をするときには、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをすることが重要です。手足口病は治った後も比較的長い間(数週〜数か月間)便の中にウイルスが排泄されるので、日頃からしっかりと衛生管理を行うことが重要です。

まとめ

 新型コロナウイルス感染症は、予防のためアルコールでの消毒が有効とされています。

 一方、手足口病の原因となるウイルスには、アルコール消毒が効きにくいため、 流水とせっけんを使ってのこまめな手洗いが対策となります。


引用
国立感染症研究所 IDWR速報データ 2022年第32週

取材
埼玉県感染症情報センター
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏