再登園にあたっては登園届提出を 再登園にあたっては登園届提出を
 手足口病の流行が、東日本を中心に拡大しています。国立感染症研究所の第31週(8/1-7)速報データによると、新潟、群馬、埼玉、千葉などで本格的に流行。また東京、神奈川、北海道をはじめ、東北、関東、北陸・甲信・東海の多くの県で流行注意となっています。

手足口病とは?

 手足口病とは、主にコックサッキーウイルスA6,A16、エントロウイルス71が引き起こす、例年夏に流行する感染症です。子どもが中心の感染症で、報告数の90%前後を5歳以下の乳幼児が占めています。

 主な症状としては、感染してから3〜5日後に、口の中、手のひら、足の裏などに2〜3ミリの水疱性の発しんが出ますが、数日のうちに治ります。発熱は発症者の約3分の1に見られますが、あまりが高くならないことがほとんどです。治療方法としては、特効薬はなく、症状に応じた治療となります。

 しかし、まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症や、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など様々な症状が出ることがあります。子どもが手足口病にかかったら、経過を注意深く観察し、合併症に注意する必要があります。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「手足口病は、一昨年は流行が起こらず、昨年は例年とは時期がずれた9〜11月頃に西日本を中心に流行しました。東日本では2年続けて流行が起きていないわけで、免疫を持っていない子どもが多くなっていることが、流行の原因ではないかと考えられます」と話しています。

新潟県の担当者によると…

 報告数の多い県の一つ、新潟県の福祉保健部感染症対策・薬務課に聞きました。

 「現在、手足口病の定点あたりの報告数は5を超えていて、全県に警報を発令して注意を呼びかけています。手足口病は夏の感染症なので、今年も流行がやってきたというところですが、少しピークが早めに来ている印象があります。報告者数は減少傾向にありますが、まだまだ警報レベルにあるので、注意してほしいと思っています」

手足口病の感染経路は?

 手足口病の感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染する)が知られています。保育施設や幼稚園などでは子どもたち同士の距離が近く、飛沫感染や接触感染をしやすい環境になっています。またおむつの取り替えの時に糞口感染をする可能性があります。

手足口病の予防法

 手足口病には有効なワクチンはなく、流水と石けんで十分に手を洗うことが感染対策になります。また、タオルの共用は避けてください。保育施設等でおむつの交換をするときには、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをすることが重要です。手足口病は治った後も比較的長い間(数週〜数か月間)便の中にウイルスが排泄されるので、日頃からしっかりと衛生管理を行うことが重要です。

登園の目安は?

 保育園に通うお子さんが手足口病にかかった場合、いつから登園できるのでしょうか。

 厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインには、登園の目安となる日数などの規定などはなく、「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」と記されています。発熱、のどの痛み、下痢などの症状がなく、食事が普通にできて、元気であれば登園しても問題ないということです。

 ただし、長い間便にはウイルスが含まれているので、おむつの処理、交換後の手洗いは引き続き徹底して行ってください。

再登園の際は…

 再登園の際は、保護者に対して、登園届の提出することが推奨されます。

 これは、保育所での集団感染をできるだけ防ぐために、医療機関で「病状が回復し集団生活に支障がない状態」と判断されたことを、保育所に伝えることを目的としています。

 登園届は、一律に作成・提出する必要があるものではありませんが、保育所との情報共有のためにも、提出をするといいでしょう。

 記入は保護者が行ってください。

引用
国立感染症研究所:IDWR速報データ2022年第31週
厚生労働省:保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏