小さなお子さんは要注意 小さなお子さんは要注意
 これまで新型コロナウイルス感染症の流行中には見られなかった、他の感染症が、例年と同様に流行の兆しを見せています。

 特に、気がかりなのは、RSウイルス感染症の患者報告数が増加傾向にあることです。

 感染症の専門医も、流行状況を注視したいとしています。

RSウイルス感染症の流行の兆しが顕著に!

 7月4日にもお伝えした、RSウイルス感染症の患者報告数の増加。国立感染症研究所の第25週(6/20-6/26)速報データでは、さらに増加傾向にあります。

 特に、東海地方の岐阜県、愛知県、三重県に多く、次いで、近畿地方、首都圏の患者報告数が増加しています。

 岐阜県のデータによると、6月26日からの1週間で県全域での患者数は138人。その中で100人以上が1〜4歳の子どもで、1歳未満の患者数も20人を超えています。

岐阜県のRSウイルス感染症の流行状況

 岐阜県の感染症の発生状況について調査をしている岐阜県感染症情報センターに話を伺いました。

 「去年は5月下旬から7月にかけて全国平均よりも早い時期に感染のピークがありましたので、今年も同様に流行がやってきたのかなと思っています。まだこれからどのように推移していくのかわかりませんが、その動向を注視しているところです。ただ、RSウイルス感染症は、以前は秋に流行を迎える感染症でしたが、流行が早まっているという印象はあります。」

感染症の専門医は

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「2021年はRSウイルス感染症が季節外れの流行をみせましたが、今年は例年と同様に、7月から増え始め、8月に全国的に流行のピークを迎えると予測されます。同時に新型コロナウイルス感染症の新規感染者数も再拡大の兆しを見せているため、両方の感染症が同時に流行という事態も考えられます」と警戒を促しています。

 そして、「RSウイルス感染症は、生まれたばかりの新生児であっても感染のおそれがあり、重症化しやすいので、特に注意をしてほしい」しています。

RSウイルス感染症とは?

 RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスが引き起こす、呼吸器の感染症です。RSウイルスは、日本を含め世界中に分布しているので、どこでも感染の可能性があります。

 RSウイルス感染症は、RSウイルスはウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、または会話をした際に飛び散る飛沫を浴びて吸い込む飛まつ感染や、感染している人との直接の濃厚接触、ウイルスがついている手指やドアノブ、手すり、コップ、おもちゃなどを触ったりなめたりする間接的な接触感染で感染します。

 症状としては風邪のような症状から重い肺炎まで様々ですが、特に乳児期早期(生後数週間〜数か月の間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあるので、特に注意が必要です。

大人の感染にも注意!

 感染対策としては、咳などの呼吸器症状がある場合は、飛沫感染対策としてマスクの着用。また、接触感染対策としては、日常的に触れるおもちゃや手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤で消毒。また、流水・石鹸による手洗い、アルコール製剤による手指衛生が有効です。

 岐阜県感染症情報センターは、子どもだけでなく、大人に対しても予防を促しています。

 「感染の中心は、幼稚園や保育所といった、子どもが集まる施設になりますが、子どもから子どもの感染だけでなく、大人から子どもへの感染も十分考えられます。センターでは、医療機関や高齢者施設などにも『ぎふ感染症かわら版』を配布して、注意喚起に努めています」

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏