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予防接種には定期接種と任意接種のものがあります。生後2か月から受けられるものもあり、ワクチンの種類ごとに接種できる年齢が決まっています。今回は定期接種になっているワクチンの種類と、標準的な接種時期についてお伝えします。入園・入学前に、どの予防接種を受けたか、母子健康手帳などで確認しておきましょう。
感染症専門医で、大阪府済生会中津病院に勤務する安井良則医師に、予防接種についてのお話を伺いました。
いつ、どの予防接種を受けたか、確認しておきましょう
(安井医師)入園・入学前にいつ、どの予防接種をいつ受けたか、改めて母子健康手帳などで確認しておきましょう。特に、数年前に定期接種になったワクチンなどは、受け忘れなどの可能性もあります。ここ数年では、2020年10月にロタウイルスワクチンが定期接種となりました。感染症になったか、なっていないかについての記録を取っておくことも大切です。予防接種を受けないまま、感染症にかかると重症化するおそれもあります。接種できる年齢になったら、対象の期間中に接種しましょう。定期接種は対象の期間内に受けると、無料となる場合がほとんどです。期間を過ぎてしまうと任意接種となり、金額が自己負担となるものもありますので、事前に確認しておきましょう。
定期接種になっているワクチンと標準的な接種時期
【ジフテリア、百日咳、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)】四種混合・二種混合…四種混合ワクチンは、生後3か月になったら1回目、その後20日以上の間隔をおいて(標準的には20~56日)2回、接種します。3回目を終えたら、6か月以上(標準的には12か月以上18か月未満)あけて、4回目の接種をします。さらに第二期として、二種混合ワクチンを11歳から12歳に達するまでに1回接種します。
【B型肝炎】B型肝炎ワクチン…標準的な接種期間は、生後2か月以上9か月未満とされています。1回目から27日以上あけて2回目、1回目から139日以上あけて3回目とされています。
【Hib感染症】Hibワクチン…インフルエンザ菌b型(Hib)による感染症を予防するワクチンです。標準的な接種期間は、生後2か月になったら1回目、そこから27日以上あけて2回目、更にそこから27日以上あけて3回目、そして3回目から7か月以上あけて4回目を接種します。
【肺炎球菌感染症】肺炎球菌ワクチン…標準的な接種期間は、生後2か月になったら1回目、そこから27日以上あけて2回目、更にそこから27日以上あけて3回目、そして1歳~1歳3か月で4回目を接種します。
【麻疹(はしか)・風疹】麻疹・風疹混合(MR)ワクチン…2006年度から定期接種に導入され、1回目は1歳以上2歳未満、2回目は小学校に入る前(5歳以上7歳未満)の1年間に接種します。
【結核】BCGワクチン…結核による重い病気を予防するワクチンです。標準的には生後5か月から8か月未満で1回接種します。
【水痘(水ぼうそう)】水痘ワクチン…標準的な接種年齢は、1回目が1歳以上1歳3か月未満で、2回目は1回目の接種後、6か月以上12か月未満に接種します。
【ロタウイルス感染症】ロタウイルスワクチン…2020年10月から定期接種になりました。1価ワクチンと5価ワクチンの2種類が日本国内において認可されています。1価と5価で接種スケジュールに違いがありますが、両方とも生後6週から接種が可能で、1回目は生後14週6日後までが望ましいとされています。
【日本脳炎】日本脳炎ワクチン…定期接種として生後6か月から接種可能ですが、標準的な接種年齢は3歳以上とされています。
【ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症】HPVワクチン…子宮頸がんをおこしやすいタイプであるHPV16型と18型の感染を防ぐことができます。12歳~16歳(小学校6年~高校1年相当)の女子を対象に、定期接種が行われています。
引用:国立感染症研究所「日本の予防接種スケジュール」
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏