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インフルーと免疫ちゃん(びせいぶつ芸能社) インフルーと免疫ちゃん(びせいぶつ芸能社)
 インフルエンザの患者報告数は、例年に比べて少ない傾向です。

 国立感染症研究所の第5週(1/31~2/6)のデータによると、全国のインフルエンザ定点医療機関から報告された患者報告数は、約41人です。

 大阪府済生会中津病院の安井良則医師によると、昨年も流行はみられませんでしたが、2年連続で流行のきざしはみられません。例年であれば、第4週と第5週は患者報告数のピークを迎える時期といいます。一方で、わずかながら患者報告数が上がっている地域もあり、いつ流行するかは予測できないため、今後の発生動向に注意が必要です。

インフルエンザ(季節性)とは

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられています。日本でのインフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続きます。

症状

 インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快しますが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。

予防方法

 インフルエンザを予防する有効な方法として、厚生労働省ホームページ「インフルエンザQ&A」で、以下の点が挙げられています。

1.流行前のワクチン接種
 インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。

2.外出後の手洗い等
 流水・石鹸による手洗いは、手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症の対策の基本です。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤による手指衛生も効果があります。

3.適度な湿度の保持
 空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。

4.十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
 体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。

5.人混みや繁華街への外出を控える
 インフルエンザが流行してきたら、特にご高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。

引用:厚生労働省ホームページ「インフルエンザQ&A」
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏