1月に注意してほしい感染症について、流行の傾向と感染対策を見ていきましょう。

【No.1】新型コロナウイルス感染症
 全国の新規感染者数は、直近の1週間では10万人あたり約0.9と、依然として非常に低い水準です。一方で、一部の地域では事業所や社会福祉施設、小学校等でクラスターが発生しており、感染伝播は継続しています。

 ワクチン総接種回数は、12月23日時点で1億9千万回を超え、全体の2回接種率は77.7%、20代は74.9%と接種率が向上しています。12月から追加接種が始まりましたが、重症化リスクのある高齢者など、早期に接種をすすめることが重要です。

 オミクロン株は日本においても、海外渡航歴のない方の感染例が確認され始めました。今後の本格的な流行に備えて、治療方法の確立や情報収集が急がれている状況です。情報に一喜一憂することなく、ワクチン接種者も含め、引き続きマスクの正しい着用、手指衛生といった基本的な感染対策を行いましょう。年末年始の行事等で、屋内に人が集まることが予想されるため、こまめな換気を心がけてください。

【No.2】感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症)  感染性胃腸炎の一つである、ノロウイルス感染症は保育所や幼稚園、小学校などの集団生活で多くみられる感染症です。

 国立感染症研究所によると第43週(10/25〜31)以降、各地で患者報告数が増え始めました。1月も引き続き流行する可能性が考えられます。

 ノロウイルスに感染すると、多い時には10回以上の嘔吐や下痢の症状が続きます。ノロウイルス感染症は有効とされるワクチンや薬がまだ開発されていないため、対症療法を行います。下痢止めを飲むと、ウイルスが体内に残ってしまうため、飲まないようにしましょう。嘔吐や下痢が続いている時は、脱水症状に注意して下さい。水分を補給する際には、電解質輸液が効果的です。

 ウイルスが付着していると考えられる物品の消毒については、次亜塩素酸ナトリウム系(塩素系消毒剤)を用いて行いましょう。使用する濃度は500ppmが推奨されます。嘔吐や下痢などの症状が改善しても24時間は、自宅で様子をみるようにしましょう。症状がなくなったからといって、登園もしくは登校させると、集団感染につながるおそれがあります。

【No.3】インフルエンザ
 現在のインフルエンザの報告数は、わずかですが、各地で患者が出始めているといった状況です。日本でのインフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続きます。

 インフルエンザの予防には、予防接種を受けることが有効です。ここ2年ほど、インフルエンザの流行がみられず、乳幼児が初めて感染すると重症化しやすいことから、予防接種を受けることで発病率、重症化の低減につながると言われています。予防接種を受けてから、抗体ができるまで約2週間かかり、効果は約5か月間持続しますので、流行前に早めに接種することを、おすすめします。

【No.4】RSウイルス感染症
 RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスによっておこる呼吸器感染症です。潜伏期間は2〜8日、一般的には4〜6日で発症します。特徴的な症状である熱や咳は、新型コロナウイルス感染症と似ており、見分けがつきにくいです。多くの場合は軽い症状ですみますが、重い場合には咳がひどくなり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。

 2021年は夏に全国的な流行がみられました。一方で、国立感染症研究所の第49週(12/6〜12)のデータによると、佐賀県や鹿児島県など、九州地方の一部の地域では患者報告数が減り切っていません。今後、冬の間に流行する可能性もあり、引き続き注意が必要です。

 RSウイルス感染症は乳幼児に注意してほしい感染症で、特に1歳未満の乳児が感染すると重症化しやすいです。お子さんに発熱や呼吸器症状がみられる場合は、かかりつけ医に相談してください。

 感染経路は、飛沫感染や接触感染です。ワクチンはまだ実用化されていないため、手洗い、うがい、マスクの着用を徹底しましょう。家族以外にも保育士の方など、乳幼児と接する機会がある人は特に注意が必要です。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏