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 厚生労働省が12月8日に開催した新型コロナウイルス対策の専門家会合によると、新たな変異株(オミクロン株)は、感染性は高いのか、再感染のリスク、ワクチンや治療薬の効果に影響はあるのかなど、まだ十分な情報が得られていない状況です。

 新規感染者は減少傾向とみられていましたが、今後どのような事に気をつけて生活したら良いのでしょうか。

 この点について、新型コロナウイルス感染症患者の診察にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師に、お話を伺いました。

情報に一喜一憂せずに、日頃から基本的な感染対策を行うことが大切

 (安井医師)懸念すべき変異株とされているオミクロン株ですが、海外ではデルタ株からの置き換わりが急速に進んでいることから、あっという間に広がったと考えられます。

 海外からの新規渡航者の入国を止めたのは、オミクロン株対策の準備期間を作るうえで良かったと考えます。どの程度、感染性があるのか、重症化の有無など、情報収集をして、流行に備える期間は必要です。一方で、もうすでに判明している症例を含め、オミクロン株が日本に入っている可能性は頭に入れておくべきです。

 この期間、基本的な感染対策は何も変わらないので、マスクを着用し、飛沫感染に気をつけましょう。コロナウイルスはマイクロ飛沫によるエアロゾル感染でひろがります。12月に入り、寒くなると密閉空間が増えるので、飛沫感染のリスクを減らすためには、部屋の換気をこまめにすることが大切です。

 もう一つ、対策としてできることとして、ワクチン接種をおすすめします。コロナウイルスに対して、重症化予防などの効果が実証されています。追加接種もはじまっていますので、ワクチン接種をした上で、基本的な感染対策をしましょう。

基本的な感染対策を

 厚生労働省の専門家会合では、基本的な感染対策についての見解が示されました。

・ワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、ゼロ密や換気といった基本的な感染対策の徹底を継続することが必要。
・今後年末に向けて、忘年会なども含め飲食の機会が増えることが予想されるが、その際は、第三者認証適用店を選び、飲食時以外はマスクを着用すること。
・外出の際は、混雑した場所や感染リスクの高い場所を避けることが必要。
・特に帰省や旅行等の際に、発熱等の症状がある場合、県をまたぐ移動は控えることが必要。
・軽度の発熱、倦怠感などの症状でも積極的に受診し、検査につなげることも重要。

 感染症を「正しく知って、正しく怖がり、正しく予防する」ことが、情報に一喜一憂することなく、日々を過ごすことにつながります。

 日頃から、マスクの着用や手指衛生、部屋の換気といった基本的な感染対策をしていきましょう。

引用:厚生労働省「第62回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(令和3年12月8日)
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏