半年以上前に更新された記事です。
国立感染症研究所の2021年47週(11/22~28)のデータでは、定点当たりの報告数は0.01で、今のところ流行はみられていません。一方、都道府県別でみると、三重県(0.03人)、山口県(0.03人)と、わずかながら報告数が上がってきています。
インフルエンザの動向について、感染症専門医である、大阪府済生会中津病院の安井良則医師にお話を伺いました。
インフルエンザのウイルス自体は消えていないので注意
(安井医師)12月に入りましたが、今のところ、国内で流行する兆候はみられません。今年、患者報告数が多かったRSウイルス感染症や手足口病などは、例年とは違う時期に流行しました。インフルエンザも他の疾患と同様に、いつ流行るのか分かりません。
今後、例年と違う時期に流行する可能性もありますので、早めの備えとして、ワクチン接種をおすすめします。
インフルエンザウイルス自体は消えていません。WHOのサーベイランスを見ると、世界では日本以外、特に北半球ではインフルエンザの流行がみられます。今後の発生動向を注視していきたいところです。
流行前にワクチン接種の検討を
昨シーズンにインフルエンザの流行がみられなかったため、まだインフルエンザに一度もかかったことのないお子さんは、免疫がないと考えられます。初めてかかった時に、インフルエンザ脳症など重症化のおそれもありますので、流行前にワクチンを接種し、免疫をつけておくことをおすすめします。
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏