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 ノロウイルス感染症とは、病原体に汚染された食品などから感染する「経口感染」などで広がる感染症です。

 流行のピークは12月で、1〜2日の潜伏期間を経て、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が出ます。症状は数時間から数日で収まり、余程のことがない限り重症化することはありません。

 しかし、ノロウイルス感染症には、予防接種のワクチンも抗ウイルス薬も実用化しているものがありません。ウイルスが感染して発症してしまうと、整腸剤などの対症療法しかないのが現状です。

 新型コロナウイルス感染症の流行で、アルコールによる手指衛生を心掛けている方も多いと思います。

 しかし、「ノロウイルス」は感染経路が違うため、対策はじゅうぶんでない可能性があります。感染を防ぐ方法はあるのでしょうか。

 この疑問について、大阪府済生会中津病院に勤務する、安井良則医師にお話を伺いました。

アルコール消毒は期待薄い 基本は流水と石けんでの手洗い

 (安井医師)ノロウイルス感染症の主な感染経路は、接触感染や、汚染された食物を口にすることで感染する経口感染です。

 そのため、流水と石けんを用いた手洗いが予防の基本となります。

 石けんでは、ノロウイルスの働きを失わせることはできませんが、手指に付着したよごれとともに、大半を洗い流すことが期待できます。

 アルコール消毒は、インフルエンザや新型コロナウイルスほどの効果は期待できません。

 アルコール製剤を使い、ノロウイルスの働きを失わせるには、手指などを長時間付けておくことになりますので、あまり現実的な方法とはいえません。

 例年、12月に流行がみられます。石けんと流水による手洗いを徹底して、感染を防ぎましょう。

正しい手洗いの仕方

 ノロウイルス感染症の感染経路としては、保育園や学校、ご高齢者の方々の施設等で爆発的に集団感染する場合、人から人への接触感染で広がっていることが大半であると考えられます。ノロウイルス感染症の感染予防策として、接触感染を防ぐための流水・石けんによる手洗いを行いましょう。

<正しい手洗いの仕方>
1.しっかりと石鹸を泡立てる。
2.手のひらをしっかりとこすりあわせて洗う。
3.指の間を手を交互に入れ替えて洗う。
4.手の甲を左右とも手のひらでこすって洗う。
5.爪の先を手のひらでこするようにして爪の間もしっかりと洗う。
6.親指の付け根をしっかりとねじり洗い。
7.両方の手首をしっかりとねじって洗う。

例年並みに流行する可能性も

 去年はノロウイルス感染症の報告数は少なかったものの、ことしは新型コロナウイルス感染症がやや落ち着きを見せはじめたことから、人流の増加に伴い、感染する機会が増えると考えられます。

 これから例年並みに流行する可能性も考えられますので、特に小さなお子さんをお持ちの方は、お子さんと一緒にこまめな手洗いを行い、地域の感染状況の情報に注意を払いましょう。

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏