新型コロナウイルス感染症の患者数は、全国で低調となっています。

 11/17現在、東京都では、27人の新規感染者が報告されています。宮城県や鳥取県など25県では、感染者が確認されませんでした。

 一方で、ワクチン接種から、数か月が経過し「ブレイクスルー感染」の報告が上がり始めていることも気がかりです。

 感染症の専門医で、新型コロナウイルス感染症患者の診察にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師にお話を伺いました。

「ブレイクスルー感染」がみられ始めている

 現在、感染者数は低調となっています。

 しかし、10/1の緊急事態宣言明けから、様々な規制が解除されている状況があり、今後の流行には引き続き注意が必要です。

 また、大阪市の保健所によると、ワクチン接種から数か月経った方に、ブレイクスルー感染がみられ始めているとの報告もあります。

 現状、日本で流行が落ち着いている一因として、行動範囲の広い20〜40代が、接種から時間が経過していないことも挙げられると思います。

 海外、特にヨーロッパでは感染者数が急増しており、世界的に見て減っている訳ではありません。

追加接種は必要と考えている

 先日、私の勤務先にも2度の接種をしたにも関わらず、「ブレイクスルー感染」し、入院された方がいらっしゃいました。

 基礎疾患のある方ですが、新型コロナウイルス感染症の発症後、軽症だったため、自宅での待機期間を経て、症状が落ち着いたと自分で判断し、仲間内で会食。

 その後、症状が悪化して、入院となったケースでした。

 例え、自分がワクチンを打っていたとしても、周囲を感染させるリスクはあります。

 今後、このようなケースが増えてくる可能性もあり、ワクチンを打っていたとしても注意が必要です。

 厚生科学審議会に提出された資料によると、新型コロナワクチンは、接種から半年ほど経つと抗体価は下がるとされています。

 追加接種をしないまま抗体価が下がれば、今後、全国で「ブレイクスルー感染」の報告が増えてくることも予測されます。

 12月から医療従事者向けの3回目の追加接種が始まりますが、社会全体で効果を持続させることが大切です。

 現在、感染状況が抑えられ、医療崩壊を防げていることは、皆さんが接種したからこそではないでしょうか。

 自分と周囲を守るためにも、他のワクチン同様、追加の接種は必要と考えています。

 今後は、国産のワクチン開発にも期待したいと思います。

追加接種について

 11月15日に開催された厚生労働審議会の結果を受け、11月17日に厚生労働省は各自治体への追加接種にかかわる説明資料を、各自治体へ発布しました。

 資料によると、追加接種は12月1日に開始されます。2回目接種完了からの接種間隔は、原則8か月以上です。

 追加接種の対象者は、18歳以上の者に対する追加接種としてファイザー社ワクチンが薬事承認されたことを踏まえ、まずは2回接種完了者のうち18歳以上が対象となります。

 現時点で、追加接種に使用されるワクチンは、ファイザー社ワクチンです。モデルナ社ワクチンについては、薬事審査の結果を待って、改めて審議する予定としています。

引用:厚生労働省「新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保について」(令和3年11月17日)
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏