びせいぶつ芸能社(ノロウイルスの対応方法) びせいぶつ芸能社(ノロウイルスの対応方法)
 毎年、11月くらいから、ノロウイルス等による感染症胃腸炎の報告数が増えはじめます。

 2020年は例年に比べ、感染報告数は低く推移していました。一方で、過去の統計を見ると、12月に大きな流行をみせていますので、これからノロウイルス感染症の本格的な流行時期に向けて注意が必要です。

ノロウイルス感染症とは

 ノロウイルスは、冬季の「感染性胃腸炎」の原因となるウイルスのひとつです。

 ノロウイルス感染症とは、病原体に汚染された食品などから感染する「経口感染」などで広がる感染症です。流行のピークは12月で、1〜2日の潜伏期間を経て、吐き気、おう吐、下痢などの症状が出ます。

 しかしノロウイルス感染症には、予防接種のワクチンも抗ウイルス薬も実用化しているものがありません。感染して発症した場合には、治療は、整腸剤などの対処療法がおこなわれます。

症状

 主な症状は、吐き気、おう吐および下痢です。通常は便に血液は混じりません。発熱は軽度です。小児ではおう吐が多く、おう吐・下痢は一日数回からひどい時には10回以上の時もあります。感染してから発病するまでの潜伏期間は1〜2日と他の感染症と比較して短い方であり、症状の持続する期間も数時間〜数日(平均 1〜2 日)と比較的短期間です。

 既に他の病気があったり、大きく体力が低下している等がなければ、重症化して長い間入院しなければならないことはまずありませんが、ごくまれにおう吐した物を喉に詰めて、窒息することがありますので注意してください。

予防方法

 ノロウイルス感染症の感染経路として、保育園や学校、高齢者の方々の施設等で爆発的に集団感染する場合、人から人への接触感染で広がっていることが大半であると考えられます。よって、ノロウイルス感染症の感染予防策として大切なことは、接触感染を防ぐための流水・石けんによる手洗いが一番重要です。

ノロウイルスの対応方法

 ノロウイルスに関係していると考えられるおう吐物や下痢便を発見した場合には、しっかりとペーパータオル等で拭き取り、取り除いたあとの場所を塩素系の消毒剤でしっかりと消毒することが大切です。

(1)おう吐物や下痢便の処理をする時には、マスク、手袋、ゴーグルなどをして、直接ウイルスが体につかないようにする。

(2)処理をする人以外は近づかない。

(3)おう吐物や下痢便をペーパータオルなどでよく拭き取り、ビニール袋に入れて密封してから捨てる。

(4)汚物を取り除いた後の床には、まだノロウイルスが残っているので塩素系消毒薬で消毒する。

 家庭用の塩素系漂白剤の原液を水で薄めたもので消毒剤ができる。(500mlのペットボトルに水を入れて、キャップ1杯の原液を加えると、およそ100倍に希釈した消毒液ができる。塩素濃度は約200ppm)

(5)汚物のあった場所を中心に広い範囲を消毒する。あちこちにウイルスが付着しているので、ドアノブ、階段の手すり、トイレの便座なども塩素系の消毒剤でこまめに拭きとり消毒する。

(6)タオルは別々に使い分ける。

ノロウイルス感染症の意外な感染源

 ノロウイルス感染症の意外な感染源が、「舞い上がったホコリ」です。おう吐物や下痢便に対して、適切な処理をしない場合、その場所に残っているノロウイルスがホコリとともに舞い上がって、その日だけでなく、数日経っても、ノロウイルスを吸い込んで感染してしまうことがあります。

ノロウイルス感染症にかかった人に対して注意すること

 おう吐、下痢をすることによって脱水症状になってしまうので、できるだけこまめに水分を与えることが一番大切です。非常にまれですが、上を向いたまま寝ていて、おう吐をしたことによっておう吐物を喉に詰めて窒息する例があります。特に小さなお子さんや高齢者の場合、あお向けではなく横を向いて寝かせてあげてください。

◇感染症・予防接種ナビでは、みなさまからノロウイルス感染症(感染性胃腸炎)の経験談を募集しています。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏