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厚生労働省は、乳幼児期の特性を踏まえた保育所における感染症対策の基本を示すものとして、「保育所における感染症対策ガイドライン」2018年に発表しています。
乳幼児のお子さんのいらっしゃる方が気になる、保育所などへの登園の目安と症状が記載されています。今回は手足口病についてです。
症状および特徴
主な症状として、口腔粘膜と手足の末端に水疱性発しんが生じます。また、発熱とのどの痛みを伴う水疱 (水ぶくれ)が口腔内にでき、唾液が増え、手足の末端、おしり等に水疱(水ぶくれ)が生じます。コクサッキーウイルスA6が原因の手足口病では、水痘(水ぼうそう)と間違えられるほどの発しんが出たり、爪がはがれたりすることもあります。 無菌性髄膜炎を合併することがあり、発熱や頭痛、おう吐がみられます。重症化すると、まれではありますが脳炎を合併し、けいれんや意識障害が生じることもあり、注意が必要です。感染経路
主な感染経路は、飛沫感染、接触感染及び経口感染です。症状が出た最初の週の感染力が最も強いとされています。回復後も飛沫や鼻汁からは1~2週間、 便からは数週間~数か月間、ウイルスが排出されます。流行状況
例年、春から夏にかけて流行します。予防・治療方法
ワクチンは開発されていません。飛沫感染や接触感染、経口感染により感染するため、 手洗いの励行等の一般的な予防法を実施することが大切です。発症した場合には、有効な治療法はありませんが、多くの場合、3~7日ほどの自然経過で治癒します。感染拡大防止のために留意すべきこと
日常的に手洗いの励行等の一般的な予防法を実施するとともに、回復後も飛沫や鼻汁からは1~2週間、便からは数週間~数か月間ウイルスが排出されるので、おむつの排便処理の際には手袋をするなどの対応を行ってください。登園の目安
登園の目安は、「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」です。感染拡大を防止するために登園を控える必要はありません。しかし、発熱やのどの痛み、 下痢がみられる場合や食べ物が食べられない場合には登園を控えてもらい、本人の全身状態が安定してから登園を再開するようにしましょう。登園を再開した後も、ウイルスの排出期間が長いため、排便後やおむつ交換後の手洗いを徹底することが大切です。
基本的な感染対策を
手足口病は、例年、夏に流行し、7月下旬にピークを迎えますが、ことしは8月中旬より流行をみせはじめました。国立感染症研究所によると、2021年第33週(8/16~22)以降、手足口病の感染者数は増加傾向です。最新の第42週(10/18~10/24)の定点当たりの報告数でも、大分県や佐賀県で警報レベルの感染者数が報告されています。
手足口病には、有効なワクチンや発病を予防できる薬が、まだありません。
そのため、一般的な感染対策として、飛沫感染や接触感染を予防するために手洗いをしっかりと行い、排せつ物を適切に処理しましょう。
特に、保育施設などの乳幼児の集団生活では、感染を広げないために、職員と子どもたちが、しっかりと手洗いをすることが大切です。特におむつを交換する時には、糞口感染を防ぐため、排せつ物を適切に処理し、その後にしっかりと手洗いと消毒をしてください。
※糞口感染…ウイルスを含む糞便が手指に付着し、これが口などに入ることによる感染。
手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの使いまわしは避けましょう。
手足口病は、治った後も比較的長い期間、便の中にウイルスが排せつされます。また、感染しても発病しないままウイルスを排せつしている場合もあると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗いと消毒が大切です。
◇感染症・予防接種ナビでは、みなさまから手足口病の経験談を募集しています。
引用:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
文:感染症ニュース取材班
引用:厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
文:感染症ニュース取材班