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 11月に注意してほしい感染症について、流行の傾向と感染対策を見ていきましょう。

【No.1】新型コロナウイルス感染症
 緊急事態措置等の解除後も、全国的に新規感染者数の減少が続き、感染者数は減少傾向です。それに伴い、療養者数や重症者数も減少傾向にあります。ワクチン総接種回数は、10月28日時点で1億8千万回を超え、全体の2回接種率は70.6%とワクチン接種率が向上しています。

 しかし、接種したからといって、感染しない、もしくは周りに感染させないというわけではありません。引き続き、マスクの正しい着用、手指衛生といった基本的な感染対策を行いましょう。また今後、気温が低下していくことにより、屋内での活動が増えることが予想されますので、こまめな換気を心がけてください。

【No.2】手足口病・ヘルパンギーナ
 例年、手足口病の流行は7月下旬にピークを迎えることが多いですが、8月中旬より報告数が増え始めています。

 手足口病は、エンテロウイルスなどを病原体とする感染症で、流行は夏に集中しています。3日から5日の潜伏期間の後に発症し、口の粘膜・手のひら・足の甲や裏などに、2〜3ミリの水疱性の発疹が現れます。

 手足口病の感染経路としては飛沫感染、接触感染、糞口感染があげられます。保育園や幼稚園などの乳幼児施設における流行時の感染予防は、手洗いの励行と排泄物の適切な処理が基本となります。

 一方で、子どもがウイルス感染し、その後に看病にあたった大人が手足口病に感染し、発症する例もみられます。職場では感染対策として、マスクを着用し、こまめに石けんを用いて手洗いを行うようにしてください。

 同じウイルス属のヘルパンギーナも、例年、5月頃より増え始め、7月頃にピークを迎えて8月頃に減少し始め、9月〜10月にかけては、ほとんど見られませんが、今年は季節外れの流行をみせています。鳥取県では感染者数の増加に伴い、10月13日に県内全域にヘルパンギーナ警報を発令し、引き続き継続中です。

 喉からウイルスが排出されるため、咳をしたときのしぶきにより感染します。感染者との密接な接触を避けることや、流行時にうがいや手指の消毒を励行することが大切です。

【No.3】感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症など)
 ノロウイルス感染症やロタウイルス感染症などウイルスによる感染性胃腸炎は、冬期に流行する感染症です。

 ノロウイルス感染症もロタウイルス感染症も有効的な治療法がなく、吐き気止めや整腸剤などの薬を使用する対症療法が一般的です。間接的な接触感染によって広範囲に伝搬しやすい特徴があるため、感染予防策として、流水・石けんによる手洗いが重要です。また、ウイルスの正しい対応方法として、感染源である嘔吐物や下痢便の適切な処理にも注意が必要となり、アルコールではなく次亜塩素酸ナトリウム系の消毒剤でなければ効果的な消毒はできません。

【No.4】A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症) は小児の集団生活で気をつけてほしい感染症です。例年、6〜7月と12月にピークを迎え、学校などでの集団生活や、きょうだい間での接触を通じて感染が広がるので、注意が必要です。

 感染すると、2〜5日の潜伏期間の後に発症し、突然38度以上の発熱、全身の倦怠感、喉の痛みなどが現れ、しばしば嘔吐を伴います。また、舌にイチゴのようなぶつぶつができる「イチゴ舌」の症状が現れます。

 まれに重症化し、全身に赤い発疹が広がる「猩紅熱(しょうこうねつ)」になることがあります。発熱や咽頭痛など、新型コロナウイルス感染症の症状と似ており区別がつきにくいため、症状が疑われる場合は速やかにかかりつけ医を受診しましょう。

 主な感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、細菌が付着した手で口や鼻に触れることによる接触感染です。感染の予防には、手洗い、うがい、咳エチケットなどが有効です。

【要注意】季節性インフルエンザ
 インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられています。

 日本でのインフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続きます。

 インフルエンザの予防には、予防接種を受けることが有効です。ここ2年ほど、季節性インフルエンザの流行がみられず、新生児や幼児が初めて感染すると重症化しやすいことから、予防接種を受けることで、発症率、重症化率の低減につながると言われています。予防接種を受けてから、抗体ができるまで約2週間かかり、効果は約5か月間持続しますので、流行前に早めに接種することを、お勧めします。

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏