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 季節性インフルエンザの流行がみられる時期に入りました。

 しかし、日本医師会や日本薬剤師会などが運用する「薬局サーベイランス」によると、患者数の報告はほとんどされていません。本来、感染者の報告が増え始める時期ですが、例年と違い、非常に少ない値となっています。

 また、インフルエンザは、昨シーズンはほとんど流行をみせておらず、免疫が低い人が増えている可能性があります。

 ※インフルエンザの1シーズンの調査期間は、毎年第36週から、翌年の第35週までです。2021〜2022年シーズンは2021年9月6日〜2022年9月4日です。

季節性インフルエンザとは?

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられています。

 日本での流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続きます。

 主な症状は、1〜4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快しますが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。

 季節性インフルエンザについて、感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師にお話を伺いました。

今年は季節外れの流行に注意

 (安井医師)心配なのが、昨シーズンでは目立った流行が無く、免疫が低い人が多くなっていることです。

 仮に、国内で流行が始まれば、大きな流行につながる可能性もはらんでいます。

 またRSウイルス感染症や手足口病のように、季節外れの流行になるおそれもあり、長い目で警戒が必要です。

 現在の報告数は非常に少ないですが、本格的に流行し始めるにはまだ時間がかかるため、12月や1月に流行していないからといって、今シーズンは流行しないとは言えません。

 WHOは、中国国内ではインフルエンザB型、ヨーロッパでは香港A型が流行しているとの情報を出しています。今後、グローバルな経済活動の再開で海外との往来が増えれば、国内にウイルスが持ち込まれる可能性は高くなります。

お子さんにはワクチンの検討を

 (安井医師)昨シーズンは目立った流行が無かったことで、インフルエンザに感染しておらず、免疫がないお子さんもいらっしゃると思います。

 初めて感染した場合は、症状が重くなりやすい傾向にあり、インフルエンザ脳症など、合併症の可能性もあります。お子さんに、ワクチンであらかじめ免疫をつけてあげることを保護者の方には、おすすめします。

 10月は、インフルエンザワクチンの供給が不安定とのことですが、年内には、落ち着く見込みです。

 インフルエンザは、新型コロナウイルス感染症と違い、子どもだから症状は軽いという事はありません。お子さんにしんどい思いをさせないためにも、接種を検討して頂ければと思います。

季節性インフルエンザの予防

 季節性インフルエンザの予防には、流行期に人ごみを避けること、マスクを着用すること、外出後のうがいや手洗いの励行を徹底しましょう。

 さらに、インフルエンザの予防接種を受けることが有効です。接種することで、発症率、重症化の低減につながると言われています。接種してから、抗体ができるまで約2週間かかり、効果は5か月間持続しますので、流行前に早めに接種することを、お勧めします。

 インフルエンザは、大人がかかった場合には、すでに免疫ができていることもあり比較的、軽症で済むケースが多いです。一方で、免疫のないお子さんは、重症化や合併症を併発するケースもあり、ワクチンで予め免疫をつけて、流行に備えてもらえたらと思います。

引用:国立感染症研究所「インフルエンザとは」
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏