新型コロナウイルスの新規感染者数が、全国的にも落ち着きをみせています。

 国は、経済活動の再開を見据え、10月から各地でサッカーやコンサートなどの大規模なイベントで、制限を緩和する技術実証を始めています。

 今後、私たちはどのようなことに気をつけて生活すればいいのか、大阪府済生会中津病院の安井良則医師に取材しました。

今後も感染の動向に注意

 (安井医師)経済活動再開にあたっては、段階的な緩和が必要だと考えています。

 これまで国は、ワクチンが国民に行き渡るまで、接種者と未接種者を同じように扱うことで、感染拡大を防いできました。

 しかし、ワクチンの接種率が高くなってきたことから、経済活動を再開に向けた議論も活発になっています。

 経済活動を再開すれば、それに伴う人流も増えるため、新たな流行が起こる恐れもあります。

 ジョンズ・ホプキンス大学が発表している調査結果では、アメリカでワクチン接種率が、国全体では57%と伸び悩みをみせている中で、経済活動を再開したため、感染者数のリバウンドが起こり、最新の情報では、亡くなる方が1週間で1万人を超えています。

 そうした中、現地スポーツ中継などをみると、マスクを着用していない人も多く見受けられます。

 ワクチン接種後の感染対策がおろそかになっていることも、感染者増加への懸念材料です。

 私は、新型コロナウイルスの流行は、今後もあると予測しています。

 日本では、患者数・死亡例・重症者数が急増しないよう感染動向に注意しながら、経済活動を段階的に緩和していくべきだと考えます。

 またワクチンの接種も国内では同時に進めつつ、必要に応じて追加接種や外来での診療も行いながら、状況に対処していくことが必要だと感じます。

 新型コロナウイルス感染で陽性と診断後に、すぐに治療開始できることが理想ですので、近い将来に飲み薬などが、国により承認されれば、外来診療が中心となって行くはずです。

 まずは、ワクチン接種者を中心に経済を回していく事になると思います。

 しかし、発症予防効果は100%ではないことを前提に、接種後も引き続き、ソーシャルディスタンスを保ちつつ、マスク着用や消毒など感染対策を継続することが重要です。

引用:「COVID-19 Dashboard」by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏