10月14日時点でのワクチン2回接種率は、全体で65.8%と接種が進んでいます。

 一方で、若い世代の接種も進んでいるものの、10代で33.68%・20代で45.84%と、全体の水準には及んでいない状況です。

 東京都が10月12日に公表した、最新の7日間平均のデータによると、新規陽性者100人のうち、20代と30代の合計が43人ともっとも多く、次いで10歳未満が20人となっています。

 「感染症・予防接種ナビ」に20歳の方から、新型コロナウイルスに感染した経験談が寄せられました。

 軽症ではあったものの、自宅療養期間後に、嗅覚障害が起こるなどの症状がみられたそうです。

神奈川県 ちーすけさん(20歳) 投稿時期:2021年9月

 一緒に宿泊した友人から、「体調が悪くなった。コロナかもしれない」と連絡が来た時は、血の気が引きました。

 友人のPCRの結果が出る前に、とりあえず部屋から出るのを控えて家族との接触を減らしました。友人のPCRの結果は陽性で、私はその次の日から熱が出ました。

 その後、私もPCRを受けると陽性と判断され、そこからは区役所などからの連絡で忙しかったです。

 私の場合、高熱は1日しか出ず、すぐに微熱に戻って平熱になりました。

 軽症ですんでよかったと思っていましたが、自宅療養期間が終わってから、急に嗅覚がなくなりました。

 味覚はあるもののにおいが全くせず、治らなかったらどうしようと言う不安でいっぱいでした。

 そしてなにより、同居している家族に申し訳ない気持ちが大きかったです。

 家族にうつしてしまうかもという不安もありましたし、家の中でもマスク生活をしてもらうのは、本当に申し訳なかったです。

 自分がコロナになる前は人ごとでしたが、実際になってみて本当に恐ろしいと思いました。

 ワクチンをしているから大丈夫、若者は重症化しないと高を括らないでください。

医療の現場では

 コロナ患者の診察にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、若い世代こそ、接種してほしいと話します。

 (安井医師)新型コロナウイルス新規感染者数は、10月13日時点で東京都で72人、大阪府でも125人と落ち着きをみせています。

 私の勤務先でも、搬送される方は少なくなり、病棟も第5波のピーク時と比べ、少し落ち着きを取り戻しています。

 それでも、入院される方はおり、中には酸素吸入が必要な方もいらっしゃるのが現実です。

 入院患者さんのほぼ全ては、「ワクチン未接種」であり、重症化予防効果と接種の必要性を実感しています。

 回復された患者さんに「どうしてワクチンを打たなかったの?」と問いかけると、男性は「仕事が忙しくて、接種する時間が無かった」。

 女性は「なんとなく怖かった」と答える方が多いです。

 酸素吸入が必要な状況に陥るケースがあることなども考えると、やはり接種を検討して頂きたいと思います。

 ご家族に入院が必要になってから、同居者が慌てて接種された話もあります。ウイルスは、どこから誰が、家庭内に持ち込むかわかりません。

 お仕事が忙しい状況や、なんとなく怖いと言うお気持ちも分からないではないですが、やはり重症化リスクを考えると、接種して感染した場合に備えておくことに越したことは無いと思います。

10代や20代の若い年齢層でも、重症化する可能性

 これまで診察にあたった患者さんの中には、若い世代の方もいらっしゃいます。

 10代の方でも、特にBMI30以上の方は、重症化し、入院が必要な場合もあります。

 基礎疾患などは無くとも、10〜20代は行動範囲も広く、人と人との接触が多く、学校や職場などで長時間を集団で過ごすため、周囲から感染するリスクも高くなります。

 また、感染した場合、自分が周囲に広めてしまうこともあるでしょう。集団の中には、ワクチンを打ちたくても打てない方もいらっしゃる可能性もあるため、身近な人を守るためにも接種が大切です。

 10月14日現在、10〜30代までの接種率は、全体の水準には及んでいません。若い方には、接種をぜひ検討して頂きたいと考えています。

<おことわり>ご紹介する経験談は、あくまでも投稿者個人の症状や意見です。
◇感染症・予防接種ナビでは、新型コロナウイルスに感染した方や新型コロナワクチンを接種した方からの経験談を募集しています。

引用:内閣府「新型コロナワクチンについて」
厚生労働省「第55回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(資料2-4 全国の新規陽性者数等及びワクチン接種率)」(令和3年10月13日)
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏