ワクチン接種がすすむ中、新型コロナワクチンを2回接種した場合でも、時間が経つにつれて、ワクチンの予防効果が低下しているとの報告があります。

 現在、「ブレイクスルー感染」が起こっている状況も踏まえ、9月17日に厚生労働省で開催された専門部会では、3回目接種の準備をしておくことが必要という意見が出されました。

 追加接種の効果については、ファイザー社やモデルナ社、アストラゼネカ社からの研究結果によると、3社ともに新型コロナウイルスの働きを抑える中和抗体価が、2回接種の時よりも増加したと報告しています。

 特に、デルタ株などの変異株に対して、追加接種による中和抗体価の上昇がみられています。

 しかし、新型コロナワクチン接種で副反応についての様々な症状が報じられることもあり、追加接種(3回目接種)が行われる場合、どのような症状が出るのか不安に思う方も少なくありません。

 この点を、新型コロナウイルス感染症患者の診察にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師に伺いました。

追加接種の副反応は

 (安井医師)追加接種の副反応は、まだ海外の研究段階ではありますが、2回目の接種時より弱いという研究結果となっています。

 理由としては、1回目の接種から2回目の接種は、免疫を上げるために3週間の接種間隔で打っているので、副反応が強く出やすいと考えられます。

 その点を考えると、今回の3回目接種は2回目接種の時から、8か月空けて接種となりますので、副反応は弱いのではと推測されます。

 9月17日のワクチン分科会の資料によると、ファイザー社とアストラゼネカ社が発表した研究結果において、1回目または2回目接種後と比較した副反応は、同程度もしくは低い頻度です。

 モデルナ社ワクチンについては軽度および中程度の副反応はあるものの、重度の副反応は見られなかったと報告されています。

 ワクチン未接種で新型コロナウイルスに感染した場合、重症化する場合が多くみられます。実際、私が勤務する病院に入院してくるコロナ感染の患者さんのほとんどは、ワクチン未接種です。

 退院される際に、もうこんな辛い思いをしたくないので、今後、ワクチンを打ちたいと言われる方も多いです。

 コロナ禍がまだ当分の間、続くことを考えると、対応できるようにしておいた方が良いと思います。

 新型コロナワクチンが打てない年齢の子どもや、基礎疾患やアレルギーなどで打てない人のことを考えると、打てる年齢の人は引き続き、接種をご検討いただきたいです。

3回目接種の準備を各自治体に要請

 厚生労働省は、9月22日に各自治体へ向けて、ワクチンの追加接種(3回目接種)の実施についての方針を示しました。

 公表された資料によると、追加接種の対象者を2回目の接種を終えた全員とし、概ね8か月以上経過した者を対象に、1回追加接種を行うとしています。

 上記の点から、ことし2月から先行して接種開始した医療従事者へは、早ければ12月から、追加接種を始めることが想定されています。

引用: 厚生労働省「第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」(令和3年9月17日)
「第8回 新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る自治体向け説明会」(令和3年9月22日)

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏