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RSウイルス感染症の患者報告数の推移 RSウイルス感染症の患者報告数の推移
 RSウイルス感染症の患者数が3週連続で過去最多を更新しています。

 国立感染症研究所によると、第28週(7/12~7/18)の患者報告数は20,000人に迫る勢いです。地域別にみると、患者報告数が最も多いのは徳島県(20.22人)で、前週(7/5~7/11)に比べ2倍以上となっています。次いで、三重県(19.43人)、和歌山県(13.17人)、新潟県(13.11人)と、いずれも高止まりの状況です。

 過去最大規模の流行に、国立成育医療研究センターも、感染予防対策と早めの小児科受診を呼び掛けています。

症状について

 RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。症状としては、「発熱」「鼻汁」「咳」などの症状で、通常は数日から1週間くらいかけて徐々によくなります。しかし、重症化すると気管支炎や肺炎の兆候が見られ、中には呼吸困難を起こして入院することもあります。特に乳児期早期(生後数週間~数か月間)のお子さんは重症化するリスクが高いため、感染予防対策が必要です。

予防について

 主な感染経路は「接触感染」と「飛沫感染」です。ウイルスが付着した手を介したり、咳やくしゃみで飛散したウイルスを含む飛沫によって感染が拡がります。

 感染の予防には次のような対策が効果的です。(国立成育医療研究センターHPより)

 ・子ども本人、または周囲の人がしっかりと手洗いをすること(アルコールの速乾性手指消毒剤も有効です)

 ・マスクの着用(咳、鼻水などの症状がある人。マスクができる年齢の子ども)※乳幼児(小学校に上がる前の年齢)のマスクの着用には注意が必要です。特に、2歳未満では、着用は推奨されません。

 ・人混みを避ける

特に乳児のお子さんは注意

 重症化すると、呼吸困難になることもあり、気管挿管や人工呼吸器が必要なケースもあります。RSウイルス感染を機にぜんそくを引き起こすお子さんも珍しくありません。0歳児が感染すると突然死することもあり、乳幼児突然死症候群との関連も疑われています。

 通常であれば、2歳までに1度はかかりますが、昨年は大きな流行がみられなかったこともあり、今年は、かつてないほどの規模で流行しています。

家庭内感染を避けるために

 特に新生児や0歳児は、他のお子さんたちと触れ合った場合に感染の恐れがあるため、流行期間中は、子ども同士があつまる場所などは避けた方が無難です。

 また、兄弟姉妹など家庭内で感染するケースもあるので、体調の悪いお子さんと乳幼児との接触は、極力避けるようにしてください。

 家庭内で感染を拡げないためにも、タオルの共用は避け、使い捨ての紙タオルを使いましょう。子どもが使う玩具のこまめなアルコール消毒も有効です。

こんな時は早めの受診を

 国立成育医療研究センターは、お子さんに次のような症状がみられたら小児科を受診するよう呼び掛けています。

 ・呼吸が苦しそう
 ・食事や水分接種ができない

 この病気は、感染してから悪化するまでのスピードが早いです。ただの風邪だと思わずに、お子さんの様子を見て、いつもと違う様子がみられたら、迷わず、かかりつけ医の受診をお願いします。

感染症予防接種ナビでは、みなさまからの感染症経験談を募集しています。

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

引用:厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A」
  国立研究開発法人国立成育医療研修センター「RSウイルスが流行しています、ご注意ください!!」