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新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続いています。
東京都の7月30日の感染者数は3,300人と、3日連続で3000人を超えています。周辺の神奈川県・千葉県・埼玉県でも、感染者数が増加しており緊急事態宣言が発出される見通しです。
現在の状況について、コロナ病棟で診察にあたる、大阪府済生会中津病院の安井良則医師に話を伺いました。
現在の流行状況は、第5波の真っただ中です。流行は、感染力が強いとされるインドで確認されたデルタ株に置き換わりつつある状況です。デルタ株の感染力は、今までの2倍以上とも言われています。マスク着用・手指衛生は継続して行うべきですが、感染力の強いウイルスがまん延している状況から、これまでの対策だけではじゅうぶんとは言えません。感染自体を防ぐためには、外出機会を極力減らすことが重要です。
市中感染のおそれも
今回の第5波について感じるのは、4~6月頃の第4波の時と比べ、「重症者の割合が低い」ことです。重症者用の病床が満床になるなど、医療体制のひっ迫は、現在のところ見られません。一方で、軽症・中等症の患者が多い印象で、ワクチンを接種できていない20-50代の年齢層が感染の中心となっていることが気がかりです。行動範囲の広い若い世代で流行が始まれば、感染力の強いウイルスを伝播する機会が多くなります。重症化しないことで、軽症者や無症状感染者などが出歩けば、ウイルスを拡散するおそれがあります。
今後、「電車に乗っていただけで感染」や「スーパーでの買い物以外に外出していないのに感染」など日常生活の中で感染するケースも出てくると思われます。
特に注意してほしいのは
高齢者施設での集団感染事例を耳にすることが少なくなりました。ワクチンが高齢者から接種され始めたことから、接種の効果が出ていると考えられます。現時点で、最も感染に注意すべきは50代です。働き盛りで、人と接触する機会が多いことに加え、ワクチンを打てていない世代の中で、年齢的に重症化リスクが高いことが理由に挙げられます。
また、これまでクラスターの発生がほとんどみられなかった場所での報告も増えています。学校や障がい者施設では、これまで以上に注意してください。
第5波は感染者数が過去最大?
感染第5波は、最大にして最後の大流行になると予測しています。全国で、一日最大3万人程度の感染者数が報告される可能性もあります。拡大を食い止めるには、人流の抑制とワクチン接種の推進しかないと思っています。ワクチンが不足している現状もありますが、お盆明けにも、徐々に供給が再開される見込みです。接種を希望する人は、自治体や大規模接種センターの予約サイトをこまめにチェックしてください。
感染症予防接種ナビでは、新型コロナウイルスに感染した方や新型コロナワクチンを接種した方からの経験談を募集しています。
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏