RSウイルス感染症の患者報告数の推移 RSウイルス感染症の患者報告数の推移
 RSウイルス感染症が全国的に流行しています。

 国立感染症研究所によると、全国の約3,000カ所の小児科医療機関から報告された、2021年第27週(7/5〜7/11)の患者数は16,000人に迫るなど、2週連続で過去最多を更新しました。また、33都道府県において、前週の値を上回っており、全国的な感染拡大がみられます。

 地域別にみると、患者報告数が最も多いのは三重県(19.32人)で2週連続で全国最多となっています。次いで、和歌山県(13.33人)、高知県(11.39人)、宮城県(11.24人)と続き、いずれも高い水準です。

 過去に例をみない感染状況に、感染症の専門医である大阪府済生会中津病院の安井良則医師も「特に危険なのは0〜1歳児の初感染。急激に症状が悪化することもあるため、小さいお子さんに咳の症状みられる場合は早めにかかりつけ医を受診してほしい」と呼び掛けています。

症状

 RSウイルス感染症は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。症状としては、軽い風邪のような症状から重い肺炎まで様々です。しかしながら、初めて感染発症した場合は重くなりやすいといわれており、乳期、特に乳児期早期(生後数週間〜数か月間)にRSウイルスに初感染した場合は、細気管支炎、肺炎といった重篤な症状を引き起こすことがあります。そのため、特に乳児期早期のお子さんがいらっしゃる場合には、感染を避けるための注意が必要です。

専門医の呼びかけ 「乳幼児の容態の急変に注意を」

 感染症の専門医である大阪府済生会中津病院の安井良則医師も、季節外れの感染拡大に警戒を促しています。

 (安井医師)RSウイルスに感染すると、とにかく咳の症状が酷く、咳をし過ぎて吐いてしまうこともあります。また、息が出来ず、酸素が必要になり人口呼吸器を着けるような重症化するケースもあります。感染力が強いため、小さいお子さんにとっては、新型コロナウイルスよりも恐ろしい病気です。特に危険なのは重症化しやすいとされている0〜1歳児が感染することですが、2歳児までは注意していただきたいです。

 お子さんをお持ちのご家庭では、いつも以上に注意してお子さんの体調変化に気にかけてあげましょう。この病気は、感染してから悪化するまでが早く、朝、咳をしていたと思ったら夕方になると、ゼイゼイと呼吸状態が悪化することもあります。朝、お子さんの様子を見て、咳が出ているようであれば、早めにかかりつけ医を受診することをお勧めします。

 例年であれば、本格的な流行は8月に入ってからであり、今後の感染動向の予測は難しいです。ただ、現在、東京都や神奈川県を中心に首都圏(1都3県)でも流行がみられることから、全国へ拡がることが懸念されます。

 実際、一時期ピークアウトと思われていた大阪府や広島県などでも、前週から患者報告数が増加しており、再燃しています。以前から流行がみられ患者数が減少傾向だった西日本や、まだ流行していない地域でも油断はできず、警戒が必要です。

 子ども同士だけでなく、大人から子どもへうつることもあります。手指衛生とマスクの着用を徹底し、引き続き感染対策を行いましょう。

感染症予防接種ナビでは、みなさまからの感染症経験談を募集しています。

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

引用:厚生労働省「RSウイルス感染症Q&A」