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家庭でできる食中毒予防のポイント(厚労省HPより) 家庭でできる食中毒予防のポイント(厚労省HPより)
 5月に「感染症・予防接種ナビ」へ寄せられた感染症経験談の中から、特に多く寄せられた感染症をご紹介します。今回は「カンピロバクター感染症」です。

 高温・多湿となるこの時期は、カンピロバクターなど細菌を原因とする食中毒が多発するといわれています。

 6月に入り、千葉県や広島県など、「食中毒警報」が発令された地域もあります。

 食中毒というと、飲食店での食事が原因だと思われがちですが、ご家庭での調理でも発生しています。

 これから、バーベキューなどお肉を焼いて食べる機会が増える時期になります。調理前や食事前の手洗いや、食品の中心部まで十分に加熱するなど、対策を徹底し食中毒を防ぎましょう。

千葉県 山岡さん 32歳 感染経路(推測):自分で調理した鶏ササミ肉

 減量中の夜飯用にまとめ買いしたササミ肉を自分で湯煎調理して食べた結果、腹痛と下痢を数日繰り返しました。次からは毎日焼いて食べます。

【調理法】
 フォークで柔らかくするためブスブス。3本ずつジッパー付き保存袋にて小分けし、ブロッコリー1掴みも一緒に入れる。6袋くらい、それぞれ味付けし冷蔵庫に2時間程寝かせ、鍋で湯煎。湯煎した6袋をまた冷蔵庫で保存(中まで加熱してあるかは確認せず。とりあえず白くなったらって感じ)それを1日ずつレンジで温めて食べていた。

【経験談】
 5月1日~7日:体調最高、筋トレバリバリ。
 翌週5月12日:1パック取り出し皿に開ける、崩すと中が半生状態(ピンク色)。レンジで温めればいいやと思い、白くなるまでレンジ加熱し、美味しく食べる。
 5月13日:深夜3時頃腹痛にて目が覚める、下痢、匂いが肉臭い。すぐにあの半生ササミだと分かる。「下痢すれば治る→また腹痛で下痢」を5回くらい朝まで繰り返し、そのまま出勤。
 夕方頃から熱っぽく気だるくなる。筋肉痛、下痢腹痛は相変わらず。ネットで検索し、カンピロバクターだろうと。即寝る。
 5月14日:平熱だが下痢腹痛熱っぽさはある。やる気が起きないが出勤。トイレに頻繁に行き、食事も最低限。筋トレどころじゃなく、夜はオートミールだけ。水分補給はしっかり取った。
 5月15日:首筋に痛みはあるが熱っぽさはない。下痢は未だにしている。

宮崎県 もりえりさん 31歳 感染経路(推測):飲食店で提供された鶏肉

 病院で治療を受ける程ひどい腹痛が続きました。専門店だからといって安心せず、生焼けの鶏肉は食べないようにします。

【経験談】
 5月21日:鶏肉をメインで提供する店において鶏肉(生レバー、タタキ)を食べる。
 5月22日:無症状。
 5月23日:悪寒、発熱、下痢(おろし大根様便)、腹痛出現。
 5月24日:起床時より非常に身体がきつい。気合で仕事に行くが激しい腹痛や下痢、足が地についていないような気持ちの悪さにより限界を感じ、昼前に早退。
 5月24日~26日:ベッドから起き上がれない程の激しい腹痛がしばしば(数分置きに)襲いかかり、悶え苦しむ。病院に行く体力と気力無し。ご飯も食べれない。彼が買ってきてくれた経口補水液やスポーツドリンク、ゼリーを必死に食べ、栄養を繋ぐ。
 5月27日:なおも激しい腹痛は継続していたが、気合で病院へ。 医師より感染性腸炎(カンピロバクター腸炎)との診断を受ける。朝・昼はゼリーを、夕飯は彼作の温かいうどんを少量食し、処方された整腸剤・痛み止めを服用。しかし、痛み止めが全く効かない。痛みに悶える。便の形状は、おろし大根→生レバー様便へ変わる。
 5月28日:数分置きに来る激しい腹痛は継続。痛さで目が覚め、夜も熟睡できない。朝はゼリーを必死に食べ、整腸剤と痛み止めを服薬。相変わらず痛み止めが効かない。再度病院へ。点滴処置(なお点滴内溶液に痛み止め含む)。抗菌薬、胃薬、整腸剤等を処方され帰宅。

<おことわり>ご紹介する経験談は、あくまでも投稿者個人の症状や意見です。

感染症・予防接種ナビでは、みなさまからの感染症経験談を募集しています

文:感染症ニュース取材班