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国立感染症研究所の統計によると、年明けから10週連続でRSウイルス感染症の患者報告数が増加しています。特に拡がりを見せているのは、九州・大阪・岩手などで、九州に隣接する山口でも患者報告者が増加傾向です。
RSウイルス感染症の主な症状は咳や発熱で、免疫がない初感染時は下気道の炎症を中心とした重篤な症状を引き起こすこともあります。
ここ数年は大きな流行が見られなかったため、初めて感染するお子さんも多いかと思います。乳幼児を持つご家族は、お子さんの健康状態に変化を感じたら、早めにかかりつけ医などに相談しましょう。
RSウイルス感染症の症状
発熱、鼻汁などの上気道炎症状が数日間続き、初感染の小児の20~30%では、その後、下気道症状があらわれると言われています。感染が細気管支に及んだ場合には特徴的な病型である細気管支炎となります。乳幼児における肺炎の原因の約50%、細気管支炎の50~90%を占めるとの報告もあります。RSウイルス感染症の感染経路
RSウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、又は会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込む飛沫感染や、感染している人との直接の濃厚接触や、ウイルスがついている手指や物(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったり又はなめたりすることによる、間接的な接触感染で感染します。なお、RSウイルスが麻疹や水痘、結核のように空気感染(飛沫核感染)するといった報告はありません。
RSウイルス感染症の予防方法
RSウイルス感染症には特効薬はなく、ワクチンはまだ実用化されていません。予防法としては、手洗い、うがい、咳エチケットなどが、有効です。咳などの呼吸器症状がある場合は、飛沫感染対策としてマスクを着用して子どもに接することが大切です。接触感染対策としては、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すり等はこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、流水・石鹸による手洗いか又はアルコール製剤による手指衛生の徹底が重要です。
家族以外にも乳幼児と関わる人は注意
感染力が強く周りの大人たちを経由して感染する可能性があるため、RSウイルスに感染した乳幼児を抱っこした人は、他の赤ちゃんを抱っこしないよう注意してください。ご家族以外にも、保育士など、乳幼児と接する機会がある人は特に注意が必要です。
感染症予防接種ナビでは、RSウイルス感染症の経験談を募集しています。
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏