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ワクチンには免疫をつけたり、強くする効果が期待できます ワクチンには免疫をつけたり、強くする効果が期待できます
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 新型コロナウイルス感染症のワクチンが国内にも届き始めました。

 日本国内で緊急承認されたファイザー社のワクチンですが、臨床試験の結果などから、高い効果が期待できそうです。

 一方、副反応については、接種部位に2~3日程度の痛みが出るなどの報告はありますが、重篤なものは、今のところ10~20万接種に1例程度と少ない印象です。

 ためらう人もいるようですが、ワクチンを接種した人が免疫をつけることで、周りの人への感染も大きく下がることが期待できます。

ファイザー社の新型コロナワクチンの有効性について

 厚生労働省によると、ワクチンを受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した人が少ない(=発症予防効果)ということが分かっています。

 海外における臨床試験の結果、過去に新型コロナウイルスの感染歴がない場合で95.0%の、感染歴の有無を問わない場合でも94.6%のワクチン有効率が確認されました。

 また、国内における臨床試験の結果として、発症予防効果が確認された海外における臨床試験と同程度以上に、血清中和抗体価(ウイルスの感染力又は毒素の活性を中和できる抗体のこと)の上昇が認められているとしています。

 このことに加え、複数の国、人種、民族が組み入れられた海外試験において有効性が示されたことを踏まえ、日本人でも、同様にワクチンの有効性が期待できると考えられています。

ファイザー社の新型コロナワクチンの安全性について

 現れる副反応として多くは、接種部位の痛みがあるようですが、おおむね接種から2~3日で症状は解消されるようです。

 その他の反応では、倦怠感、頭痛、筋肉痛が多く、いずれの反応も1回目よりも2回目接種後でより多く認められています。

 また、まれに起こる重大な副反応として、ショックやアナフィラキシーがありますが、現時点においては、10~20万接種に1例程度認められたようです。

 なお、厚生労働省によると、2月25日17時までに報告された、ファイザー社のワクチンに関する副反応疑い報告事例は3例でした。アナフィラキシーなどの重篤な症状の報告はありませんでした。

ワクチン接種の判断について

 新型コロナワクチンは、「新型コロナウイルス感染症の発症を予防し、死亡者や重症者の発生をできる限り減らし、結果として新型コロナウイルス感染症のまん延の防止を図る」ことを目的とし、厚生労働省を中心にワクチンの接種に向け準備が進められてきました。

 接種すべきか迷っている人もいるかもしれませんが、発症予防効果などワクチン接種のメリットと、副反応といったデメリットについて納得したうえで、判断することが大切です。

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引用:厚生労働省「ファイザー社の新型コロナワクチンについて」
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏