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冬季は、コロナウイルスの流行に適した時期です。今後、国内で患者報告数が増加し第三波を迎えることが予想されます。ヨーロッパやカナダ・アメリカ等の北米では、これまでの第一波、第二波よりも多くの患者数が報告されています。これらの国と同様に日本でも、これまでよりも規模が大きい流行になる可能性があります。感染症対策として重要なことは「人前でのマスク着用」「手指の衛生管理」などです。1人1人が適切な対策を行うことで第三波の到来に備えましょう。さらに、冬季は暖房や加湿器を使う時期になりますが、たくさんの人が集まる場所や、大きな声を出す場所などでは、マイクロ飛沫感染の可能性があります。しっかり換気をしましょう。
各国の状況
WHOの発表によると、2020年10月26日現在、世界の患者数は約4,296万人、死亡者数は約115万人を数えています。日本国内の状況
厚生労働省によると10月26日現在、日本国内での新型コロナウイルス感染症の感染者は97,074例、入院治療等を要する者は5,601名でうち重症者は162名、退院又は療養解除となった者は89,709名、亡くなったのは1,718名となっています。また102名が確認中とされています。都道府県別の数字は、こちらで確認できます。症状について
発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。症状の続く長さ(期間)については、風邪やインフルエンザと比べて長いという特徴があるようです。中国のデータによると、患者の8割は軽症で治癒するようです。一方、2割弱の患者では、肺炎の症状が強くなり、入院して酸素投与などの治療が必要になることがあります。重症化する場合は、発症から1週間前後で発熱や呼吸困難などの症状が悪化し、場合によっては人工呼吸器による管理が必要となる例も見られています。特に発症から10日間前後は、病勢が進行していく場合が多いですから、最初は軽症であると思っても、慎重な経過観察が必要です。新型コロナウイルス感染症で重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方と言われています。中国CDCのデータによると、高齢者ほど致死率が高くなることが示されています。こういった方は一般の方よりも早めに、帰国者・接触者相談センターに相談しましょう。
予防について
コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染と接触感染です。原則として空気感染はありません。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。また、2歳未満のお子さんは、熱中症や窒息の危険があるため、マスクは必要ありません。
感染拡大を避けるために
感染しやすい場所の特徴を理解しましょう。専門家会議によると、これまで集団感染が確認された場所に共通するのは、(1)換気の悪い密閉空間
(2)多くの人が密集していた
(3)近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた
という3つの条件(3つの密)が同時に重なった場所です。こうした場所ではより多くの人が感染していたと考えられます。これらの3つの条件が同時に揃う場所や場面をできるだけ予測し、避ける行動をとりましょう。また、これら3つの条件がすべて重ならないまでも、1つまたは2つの条件があれば、なにかのきっかけで3つの条件が揃うことがあります。3つの条件ができるだけ同時に重ならないようにすることが対策となります。
国の専門家会議は5月4日、新型コロナウイルスの感染拡大を予防するため、新しい生活様式(生活スタイル)の実践例を公表しました。これを参考に、日々の生活を点検してみましょう。
また、感染者を必要以上に非難・批判したり、差別的に扱うことは、感染状況の調査に悪影響を与えるだけでなく、社会的な息苦しさや不必要な不安を生み出すことになりるため、やめるべきです。(感染状況の変化を踏まえ、6月19日に一部の記載が変更されています。詳しくはこちら。)
■参考リンク:厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
■参考リンク:厚生労働省新型コロナウイルス感染症について
■参考リンク:内閣官房新型コロナウイルス感染症対策業種ごとの感染拡大予防ガイドライン一覧
■参考リンク:厚生労働省新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏