川崎市健康安全研究所<br />岡部信彦所長 川崎市健康安全研究所
岡部信彦所長
 全世界を襲っている新型コロナウイルス。行動自粛要請や、学校の休校、テレワーク…、私たちの社会生活にこれほど感染症が影響を及ぼしたことは、いまだかつてありませんでした。感染症は今、誰にとっても自分の問題になりました。

 新型コロナウイルスに感染しないために、様々な情報が流れました。マスクの着用、咳エチケット、手洗い、ソーシャルディスタンス、抗ウイルス薬、ワクチン、集団免疫…。しかし、それらの意味を正確に理解し、行動を実践している人はどれくらいいるでしょうか。

 Webサイト「感染症・予防接種ナビ」では、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長を取材。新型コロナウイルス感染症だけではない、感染症についての正確な情報と、ワクチン接種を含め「正しく怖がり正しく予防する」方法を、8月下旬に動画で配信します。今回は、その一部を紹介します。

感染症とは

 今年、世界中で流行している新型コロナウイルス感染症や、毎年寒くなると流行するインフルエンザ、他にも風しん、麻しん(はしか)、水ぼうそう、腸管出血性大腸菌感染症など、これらの病気はいずれも感染症です。ウイルスや細菌といった病原体が、体の中に入り増殖することで、咳や熱、発疹など、体によくない症状がおこります。

 感染症の中には、重症化すると命にかかわる、後遺症が残る、妊娠中の女性がかかるとおなかの中の赤ちゃんも感染し障害などの影響があるなど、様々なものがあります。新型コロナウイルス感染症の流行後は、新型コロナウイルスの怖さが際立っていますが、他にも注意すべき感染症はたくさんあるのです。

感染症にかからないためにできること

 私たちは、生活の様々な場面で感染症にかかるおそれがあります。感染症にかからないようにするには、どのようにしてうつるのかという“感染経路"を知ることが大切です。

 岡部信彦所長によると、感染経路の代表的なものとしては、感染している人が咳やくしゃみをすると、小さい病原体が含まれている水滴が直接 目・鼻・口に入り込んで、うつってしまうというもの(飛沫感染)と、感染している人が触れたもの、例えばドアノブやトイレの便座などに病原体が付着していてそれを触ってしまい、その手で鼻・口・目に触れるとうつってしまうというもの(接触感染)があると言います。

 他にも空気感染や経口感染など、感染経路にはいくつかの種類があります。感染経路は感染症によって異なるため、それぞれの“うつり方"を知ることで、どこを押さえたら良いかというのがわかるので、それに応じた対策をとることが大切です。新型コロナウイルス感染症の集団発生防止には、マスクなどの「咳エチケット」、十分な手洗い、アルコール消毒とともに、換気の悪い密閉空間や多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面という「3つの密」を避けることが重要とされています。これも、現時点でわかっている感染経路に応じた対策です。

予防接種も大切

 ワクチンが開発されている感染症については、ワクチン接種が有効です。感染症の中には、一度かかるとその病気に対する免疫、つまり抵抗力ができて、次にその病原体が来たときにそれをやっつける力を身につけることができるものがあります。ワクチンは、その病原体を応用したもので、体に入ってくることによって免疫だけができ、次に同じ病原体が入ってきたときにそれをやっつけることができるというものです。

 特に子どもたちには、基本的に無料で受けられる定期接種があります。ワクチンの種類によって接種時期が異なるので、スケジュールを立てて忘れずに受けることが大切です。岡部信彦所長は、「心配するのは今流行している新型コロナウイルス感染症だけではなく、いろんな感染症を防がなくてはいけない。予防接種は、ぜひ忘れずに受けてほしい。」と呼びかけています。

 8月下旬から配信する動画では、日本脳炎やジフテリア、百日咳など、新型コロナウイルス感染症以外の海外で流行している感染症についても紹介します。

 動画サイトはこちら

取材協力:川崎市健康安全研究所 所長 岡部信彦氏
動画制作協力:日テレ アックスオン