感染拡大阻止には人と人との距離を保つことが重要 感染拡大阻止には人と人との距離を保つことが重要
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 ゴールデンウィーク以降、新型コロナウイルス感染症の患者数は全国的に減少が見られ、すでに緊急事態宣言が解除されたところや、部分的に制限が緩和されている地域も見られています。流行の第2波以降に備え、今この患者数が大きく減少しているときに、私たちの生活様式や社会的活動、医療体制について、再点検していく必要があると考えられます。

各国の状況

 WHOの発表によると、2020年5月18日現在、世界の患者数は約461万人、死亡者数は約31万人を数えています。

日本国内の状況

 4月7日に発出された緊急事態宣言は、北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県を除いて、解除されました。

 厚生労働省によると5月17日現在、日本国内でのPCR検査陽性者は16,132人で、入院治療等を要するのは3,667人、うち重症なのは228人、退院又は療養解除となったのは11,547人、亡くなったのは749人となっています。また169人が確認中とされています。都道府県別の数字は、こちら (https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000631428.pdf)で確認できます。

 日本では、ゴールデンウィーク以降、患者数は全国的に減少が見られ、すでに緊急事態宣言が解除されたところや、部分的に制限が緩和されている地域も見られています。一方、様々なメディアで言われている通り、新型コロナウイルス感染症の流行は、これで収束ではありません。世界中ではまだまだたくさんの患者発生が見られていて、日本国内においても、まだ国民の大半は免疫を持っておらず、感染後に発病し、中には重症化する方も出てくると思われます。今後日本国内においても、第2波、第3波と、再び新型コロナウイルス感染症の患者数が増加し流行する可能性は高く、特に秋から冬にかけては、再び大きな流行状態となっても不思議ではありません。当分の間、我々はウイルスと共存し、新型コロナウイルス感染症に対して、強い社会と医療体制を構築していかなければなりません。流行の第2波以降に備え、今この患者数が大きく減少しているときに、私たちの生活様式や社会的活動、医療体制について、再点検していく必要があると考えられます。

症状について

 発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。症状の続く長さ(期間)については、風邪やインフルエンザと比べて長いという特徴があるようです。中国のデータによると、患者の8割は軽症で治癒するようです。一方、2割弱の患者では、肺炎の症状が強くなり、入院して酸素投与などの治療が必要になることがあります。重症化する場合は、発症から1週間前後で発熱や呼吸困難などの症状が悪化し、場合によっては人工呼吸器による管理が必要となる例も見られています。特に発症から10日間前後は、病勢が進行していく場合が多いですから、最初は軽症であると思っても、慎重な経過観察が必要です。

 新型コロナウイルス感染症で重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方と言われています。中国CDCのデータによると、高齢者ほど致死率が高くなることが示されています。こういった方は一般の方よりも早めに、帰国者・接触者相談センターに相談しましょう。

予防について

 コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染と接触感染です。原則として空気感染はありません。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。

感染拡大を避けるために

 感染しやすい場所の特徴を理解しましょう。専門家会議によると、これまで集団感染が確認された場所に共通するのは、

 (1)換気の悪い密閉空間

 (2)多くの人が密集していた

 (3)近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われた

 という3つの条件(3つの密)が同時に重なった場所です。こうした場所ではより多くの人が感染していたと考えられます。これらの3つの条件が同時に揃う場所や場面をできるだけ予測し、避ける行動をとりましょう。また、これら3つの条件がすべて重ならないまでも、1つまたは2つの条件があれば、なにかのきっかけで3つの条件が揃うことがあります。3つの条件ができるだけ同時に重ならないようにすることが対策となります。

 国の専門家会議は5月4日、新型コロナウイルスの感染拡大を予防するため、新しい生活様式(生活スタイル)の実践例を公表しました。これを参考に、日々の生活を点検してみましょう。

 また、感染者を必要以上に非難・批判したり、差別的に扱うことは、感染状況の調査に悪影響を与えるだけでなく、社会的な息苦しさや不必要な不安を生み出すことになりるため、やめるべきです。


■参考リンク:厚生労働省新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

■参考リンク:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等(新型コロナウイルス感染症)

■参考リンク:厚生労働省新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安

監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏