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過去11シーズンと今シーズンの<br />2019年第36週~2020年第1週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移 過去11シーズンと今シーズンの
2019年第36週~2020年第1週までのインフルエンザ推定患者数の週別推移
 2019/12/30~2020/1/5(2020年第1週)のインフルエンザの1週間当たりの推定患者数は約392,000人となり、前週の値(約880,000人)よりも大きく減少しました。これはインフルエンザ患者を診察する多くの医療機関が冬季休暇であったことが大きく影響していると考えられます。一方、週明けの月曜日(1/6)の推定患者数は約169,000人と今シーズンでは2019/12/23~12/29(第52週)の月曜日(12/23)に次ぐ高い値となっており、インフルエンザの患者数は今後再び増加していく可能性が高いと考えられます。

年齢群別情報

 2019/9/2~9/8(2019年第36週)から12/30~2020/1/5(2020年第1週)までの累積の推定患者数は約3,477,000人であり、2019年10月1日現在の人口統計を元にした累積罹患率は2.76%でした。年齢群別での累積罹患率はは5~9歳(13.53%)、10~14歳(9.23%)、0~4歳(6.87%)、40~49歳(2.97%)、30~39歳(2.92%)、15~19歳(2.81%)、20~29歳(1.89%)の順となっています。

ウイルスの型

 国立感染症研究所感染症疫学センターの病原微生物情報によると、今シーズンこれまでのインフルエンザ患者由来検体から検出されたインフルエンザウイルス(1,329検体解析)は、A/H1pdm が93.2%と多く、次いでA/H3(A香港)亜型4.0%、B型2.8%の順となっています。

 2019/12/30~2020/1/5(2020年第1週)のインフルエンザの推定患者数は減少しましたが、冬季休暇あけの1/6~1/12(2020年第2週)以降再び急増し、インフルエンザの流行は本格化していくと予想されます。今後ともインフルエンザの患者発生状況には注意が必要です。
 
監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏