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インフルエンザの患者報告数は、減少が見られていますが、まだ例年の同時期と比べると大幅に多い状態が継続しています。10月に入って今後再び患者数が増加してくることも考えられ、患者報告数の推移には注意が必要です。
概要
インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年世界中で流行がみられています。日本でのインフルエンザの流行は、例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続きます。
インフルエンザの予防には、予防接種を受けることが有効です。予防接種を受けることで、発症率、重症化率の低減につながると言われています。予防接種を受けてから、抗体ができるまで約2週間かかり、効果は5か月間持続しますので、流行前に早めに接種することを、お勧めします。
症状
インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。患者数の動向
IDWRの速報データによると2019/9/9~9/15(第37週)は定点把握疾患、報告数が5,738件(1.17)
2019/9/16~9/22(第38週)は定点把握疾患、報告数が5,716件(1.16)
2019/9/23~9/29(第39週)は定点把握疾患、報告数が4,543件(0.92)
地域別情報
2019/9/23~9/29(第39週)の速報データによる患者数が多い都道府県ランキング・沖縄県(34.72)
・鹿児島県(2.16)
・佐賀県(1.69)
・大分県(1.36)
・石川県(1.33)
・福岡県(1.18)
( )内の数字は定点当り報告数です。
主な感染経路
くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染が主な感染経路です。他に接触感染もあるといわれています。インフルエンザの感染対策
飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。2009年4月に新型インフルエンザ〔パンデミック(H1N1)2009〕の発生が明らかとなり、世界各国で大きな流行をもたらしたことがありました。日本では、2009年の5月に最初の国内患者発生報告があり、同年第48週(11月下旬~12月初旬)をピークとした大きな流行に発展しました。その後、新型インフルエンザの流行は鎮静化し、最近ではAH1pdmの他にAH3亜型やB型インフルエンザウイルスも国内のインフルエンザ発生例から継続的に検出されています。
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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏