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ロタウイルス感染症は、近年国内での流行のピークは4~5月にかけてとなってきています。4月に入ってからも患者数は増加傾向にあり、1年で最も患者発生数が多くなる時期を迎えつつあります。乳幼児の育児にかかわっている方は特に注意が必要です。
地域別情報
3月25日~3月31日(第13週)の速報データによる、定点当たり報告数が最も多い順青森県
大阪府
京都府
愛知県
山口県
感染経路
感染は糞口感染で、主な感染経路は間接接触もしくは直接接触による感染です。また、半数近くに気道症状がみられることや、り患率の高さから気道感染(飛沫感染)の可能性も考えられます。症状
おう吐、下痢、発熱の3つが主な特徴です。潜伏期間はおよそ2日で、典型例では病初期におう吐と発熱がみられ、続いて下痢が始まります。
・おう吐…特徴的症状で、突然起こり、これを契機に医療機関を訪れるケースが多く見られます。通常、おう吐は発症1~2日目にみられ、3日目以降少なくなります。経過中の総おう吐回数は乳幼児では5~6回を超えることも多くあります。
・下痢…水様性から泥状です。患児の半数近くにみられる白色~黄白色便が特徴的です。
・発熱…2日を超えることは少なく、多くが半日~1日です。最高体温は40.2℃に達することもあり、39.1℃以上が14%に、38.0℃以上が65%にみられます。
治療
特異的な抗ウイルス療法はありません。対症療法が中心となり、おう吐や下痢に伴う脱水や電解質異常に対して経口または経静脈的に補液が行われます。予防
予防には、任意予防接種としてロタウイルスワクチンがあります。ロタウイルスワクチンは、1価ロタウイルスワクチンと5価ロタウイルスワクチンの2種類が日本国内において認可されています。
≪ロタウイルスに感染した幼児には免疫ができる?≫
ロタウイルス胃腸炎は、初感染時に重症化することが知られています。ロタウイルスに一度自然感染しても、その後の再感染を完全に予防できるわけではありませんが、下痢症状は徐々に軽症化します。ロタウイルスワクチンは、この性質を利用して初感染時の重症ロタウイルス胃腸炎を予防することを目的に開発されました。
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監修:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏